<米男子ゴルフ:全英オープン>◇最終日◇17日◇英ロイヤル・セントジョージズGC(7211ヤード、パー70)

 【サンドイッチ(英国)塩畑大輔】ダレン・クラーク(42=英国)が通算5アンダー275で、初優勝を果たした。首位スタートも、一時は前半だけで5つスコアを伸ばしたフィル・ミケルソン(41=米国)に並ばれたが、7番パー5でイーグルを奪うなど、70をマークして逃げ切った。日本勢で唯一予選突破した池田勇太(25=日清食品)は、最終ラウンドを75で回り、通算10オーバー290の38位となった。

 10センチのウイニングパットの前に、20回分の思いをかみしめた。18番パー4。クラークはパーパットをわずかにショートさせると、満員のスタンドを笑顔で見回してから、ゆっくりとカップインさせた。「全英オープンに勝つことは、子どものころからの夢だった」。グリーン横に待ち構えた家族と抱擁すると、再度の大歓声が起きた。

 全英出場は20度目。97年の2位などトップテン3度を経験しているが、頂点には届かなかった。06年には最愛の妻を乳がんで失う悲しみも味わった。初優勝までの出場回数としては歴代最多。「もう若くないから、これが最初で最後のメジャー制覇だろうね」。白髪としわの増えた顔で、しみじみと話した。

 英国では「1日の間に四季がある」と言われるほど天気が変わる。その中で1度雨具を着れば、晴天になっても脱がない。最終日は嵐が来ても半袖シャツでプレーした。スイングのリズムが崩れることを避ける知恵だ。最終日前夜には同世代のウッズから激励メッセージを受けた。「おかげでいいプレーができた」。北アイルランドの後輩、マキロイら若手が台頭する中、アラフォー世代が気を吐いた。