【カーヌスティ(英国)26日=塩畑大輔】宮里藍(26=サントリー)が、「藍ランド」からの一打で、海外メジャー初勝利を引き寄せる。全英リコー女子オープン(28日開幕)のプロアマ戦で、難コースと名高いカーヌスティ・リンクスを初めてプレー。17番パー5では、第1打で「アイランド」の異名がつくフェアウエーをうまくとらえ、バーディーを奪った。自らも最大の難所と位置付ける勝負どころ。しかも自分の名前がついている運命的なホールで、優勝争いからグッと抜け出す。

 たどり着いた「藍ランド」からは、バーディーへの道筋がきれいに開けていた。小川に囲まれたホール中央が「アイランド」と呼ばれる17番パー5。宮里藍は第1打で、狙い通りアイランドフェアウエーの右サイドをとらえた。バンカーに守られたグリーンも、ここからなら花道が見える。直前で1番手下げた分、第2打はグリーン手前に止まったが、パターで寄せ簡単にバーディーを挙げた。

 難所として16、17、18番を挙げる一方で「あのホールは今日のように、いい位置に置けさえすればいけます」と話す。優勝争いの中でも、ショットの精度を生かして「アイランド」上の最短距離を進めば、スコアを伸ばして優位に立てる。「ただ今日は風がなかった。向かい風が吹けば、あそこに打つのは難しい。追い風でもどうやって止めるか」。本番を想定し、さらに思案をめぐらせた。

 このバーディーでイーブンパーに戻し、初めてのラウンドとしては上々のプレーをみせた。エビアン・マスターズ優勝当日に英国に移動し、祝勝会もする暇がなかったが「エビアンで優勝した、2年前の経験がヘルプしてくれている」とこともなげ。父の優さんの指導で、パットの調子は先週よりもさらに上向き、死角は見当たらない。

 99年の男子全英オープンでは、2位と3打差の首位で最終日18番を迎えたバンデベルデが第1打を右に大きく曲げ、17番の「アイランド」に打ち込み優勝を逃した。歴史的ドラマの舞台にもなった「アイランド」で、宮里藍が新たな歴史の主役になる。