<男子ゴルフ:関西オープン>◇初日◇18日◇兵庫・小野GC(6920ヤード、パー71)◇賞金総額5000万円(優勝1000万円)

 池田勇太(25=日清食品)が首位と5打差20位でスタートした。先週の全米プロから帰国即出場。未体験コースで練習ラウンドなしのぶっつけ本番で時差ぼけ、疲労からOB、池ポチャで2ダブルボギーをたたいたが、7バーディーを奪って、1アンダーの70と踏ん張った。「きょうは練習ラウンド」と2日目以降のチャージに意欲を見せた。

 ホールアウト後の会見場で、池田は憔悴(しょうすい)しきった表情を見せた。「体が全然動かなくて。よくアンダーパーで回れたと思いますよ」。全米プロから16日に帰国して千葉の自宅に戻り、前日17日に現地入り。前夜は時差ぼけで午前1時に目が覚め、2度寝もできずにコース入りし、出場登録を済ませた。

 おまけに小野GCは未体験コースだ。東北福祉大の3年後輩をキャディーに帯同。自分が練習ラウンドできない分“先乗り”でコースをチェックさせる苦肉の策も打っていた。

 当然、大きなミスは出た。序盤2番パー4は第1打を左林内のハザードに打ち込み、ボギー。15番パー4は第1打が右にOBでダブルボギー。最終18番パー4は第1打をフェアウエー右サイドからグリーンまで伸びる池に打ち込み、2個目のダブルボギーをたたいた。

 それでも、粘った。3番から12番までの10ホールはいずれもパーオンに成功するなど、3連続を含む7バーディーで“貯金”する底力を見せた。

 米国遠征に帯同した鋳山(いかけやま)和裕トレーナーは「本当は1日時間をとって、しっかり体を動かした方がいいけど、その時間がなかった。今は勢いだけでやっている状態です」という。

 首位と5打差の1アンダーの70。今大会は賞金ランク1位金庚泰、2位石川遼が欠場しており、3位の池田は単独2位以上でトップに立てる。「きょうは練習ラウンドだから。明日から3日間が本番ですよ」。コースはわかった。体にむち打ち、チャージが始まる。【加藤裕一】