<男子ゴルフ:関西オープン>◇2日目◇19日◇兵庫・小野GC(6920ヤード、パー71)◇賞金総額5000万円(優勝1000万円)

 プロ17年目の田保(たやす)龍一(36=オークモントGC)が通算5アンダーの7位で予選を通過した。5バーディー、1ボギーの67。ウエアは大阪が誇るアパレル会社「エヴィスジーンズ」で、ウエッジの裏に「OSAKA

 YAO」と刻印。阪神タイガースを愛する“河内のおっさん”が夢のツアー初Vを目指す。ネベン・ベーシック(32)が今季ツアーベストの61で通算13アンダーで首位。池田勇太(25)は池ポチャ3発などで通算イーブンパーの24位に後退した。

 茶髪からのぞく左耳にピアスをつけ、真っ黄色のシャツにチェックのズボン…。まるで“大阪のおばちゃん”のようなギンギラファッションで田保が笑う。「そんな派手ですか?」。生涯自己ベストタイの67で、初日20位から7位に浮上。ツアー競技ではなかった06年大会優勝の資格で出場した無名のプロ17年生が、V戦線に殴り込みだ。

 堺市で生まれ、八尾市で育った36歳の“河内のおっさん”は、八尾市立の高校1年の夏休み、先生に「おまえ、進級できんぞ」と言われて自主退学。16歳から奈良のオークモントGCで研修生になった。95年プロテストを20歳で受験。“日大3羽がらす”と騒がれた片山、横尾、宮本らと同期合格したものの、いまだツアー未勝利で賞金シード経験もない。

 「ツアープロとして独り立ちしたい。それが恩返しでしょ?」。オークモントGCに、ウエア提供を受ける大阪発ブランド「エヴィスジーンズ」に、レッスン代を稼がせてくれた後援者に、少しでも報いたい。今季開幕前、サンドウエッジの裏に「OSAKA

 YAO」と刻印した。「決意です。僕には反骨精神しかありませんから」。残り2日で首位と8打差。阪神ファンのおっさんが、勝負をかける。【加藤裕一】

 ◆田保龍一(たやす・りゅういち)1975年(昭50)8月13日、堺市生まれ。13歳からゴルフを始め、八尾市立亀井中卒業後、16歳から奈良オークモントGCで研修生に。20歳でプロテスト合格。賞金ランク最高位は99年152位(157万6250円)。今季出場優先順位は32位。170センチ、75キロ。家族は妻と2男。