プロ野球の工藤公康投手(48)の長女遥加(18=フリー)が、父の「投手流指導」を受けてプロデビュー戦に臨む。26日に北海道・桂GCで開幕するニトリレディス(6490ヤード、パー72)に向け、24日に試合前最後の練習ラウンドを行った。7月のプロテスト合格後初のプロツアー戦に備え、父とマンツーマンのショット特訓も敢行。ピッチングフォームにたとえた熱血指導で、左肩が上がる悪癖を修正した。

 シャドーピッチングをする親子の姿は、プロツアーでは異彩だった。練習ラウンド終了後。工藤は父とともに練習場に向かった。何球かショットを打った後、父の意見を仰ぐ。「投手だったら私のフォームはどんな感じ?」。左肩が上がり、捕手のミットよりもずっと上にしか投げられないフォームだと指摘されると、右腕を振りながら父の意見をそしゃくした。

 「投手もゴルフも一緒だと言われました。コントロール性に欠けるんですね」。納得した様子で工藤は父の指導について説明した。恵まれた体格を生かし、練習ラウンドでは打ち下ろしながらも、300ヤード近くを飛ばしたホールもあった。それでも公康さんは「スイングもまだまだ」と満足しない。コントロール性が高まれば、66をマークし48位から9位に急浮上したプロテスト最終日のように、爆発的なスコアが出せる可能性は一気に上がる。

 「今大会はきちんと周りの選手にあいさつをしたりすることが大事。まずは来季ツアー最終予選で好成績を残して、試合にたくさん出られるようになりたい」と工藤。プロの自覚か、今後の目標はつつましいものだったが「ツアーで優勝して、賞金を恵まれないアフリカの子どもたちのためにつかいたい。それが私の夢です」とも話している。大きな夢への第1歩を、父との二人三脚で踏み出す。【塩畑大輔】