<女子ゴルフ:マンシング東海>◇2日目◇17日◇愛知・新南愛知CC美浜C(6416ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 06年賞金女王の大山志保(34=フリー)が、3年ぶりの勝利へ王手をかけた。後半インで31をマークして67で回り、通算8アンダーで単独首位に浮上。08年マスターズGCレディース優勝後は、両肘痛に苦しんできた元女王が復活Vを視界にとらえた。1打差2位には服部真夕(23)がつけた。

 「お久しぶりです!」。会見場に現れた大山が、照れ笑いを浮かべた。08年11月伊藤園レディス2日目以来の首位奪取。この日は、先週から替えたパターがさえた。特に後半インは11番で8メートル、12番で6メートルを沈めるなど5バーディーの猛チャージ。「たまたまです。今年で一番入りました」。久しぶりに声もはずんだ。

 06年賞金女王の歯車が狂い始めたのは、両肘を痛めた08年だった。09年には米ツアーに参戦したが途中帰国し、12月に左肘を手術。「もう戻れないんじゃないか」と不安に襲われながらも、昨年9月に日本で実戦復帰。しかしシード権は喪失した。今季も10位以内は、4月フジサンケイ5位の1度だけ。「スイングはまだしっくりこない。球筋を打ち分けて攻めることができたのに、今はできない」と完調には届かない。

 試行錯誤は続くが、前を向く気持ちだけは忘れない。8月には東日本大震災で被災した仙台を訪問。「涙が止まらなかった。私もあきらめずにやった結果、こうしてプレーできるようになった。前に前に進んでいる姿を、見てもらいたい」。08年10月マスターズGCレディース以来のVチャンス。調子は万全でなくても、最後まで全力で戦い抜く。【木村有三】