<米女子ゴルフ:ナビスター・クラシック>◇最終日◇18日◇米アラバマ州プラットビル、RTJトレール・キャピトルヒル(パー72)

 米女子ゴルフ界に、待望の新星が誕生した。16歳7カ月のアレクシス・トンプソン(米国)が70で回り、通算17アンダーの271で米女子ツアー史上最年少優勝を果たした。2位ティファニー・ジョー(24)に5打差をつける完勝。05年サイベース・クラシックに当時18歳9カ月で優勝したポーラ・クリーマーの記録を更新した。

 アジア勢に押されていた米女子ゴルフ界にスター候補が現れた。16歳でツアー最年少優勝したトンプソンは「ずっと夢だった。これまでの人生で最高の気分」と満面の笑みを浮かべ、キャディーを務めた父親と抱き合って喜んだ。

 首位から出て一時は3打差に迫られたが、16、17番で連続バーディー。勝負どころで突き放す精神力の強さを発揮し、2位に5打差をつけて完勝した。「(記録保持者だった)クリーマーが来て『誰かが記録を破るとしたら、あなたであるべきだ』と声を掛けてくれた。それが大きかった」。背中を押してくれた昨年の全米女子オープン覇者クリーマーに感謝した。

 現在世界ランク1位の曽雅■(台湾)や、申ジエら韓国勢、さらに日本の宮里藍らアジア勢が力をつけた反動で、米国内では女子ゴルフの人気が低迷していた。12歳の時、大会史上最年少で全米女子オープンの本戦出場を果たしたトンプソンは、米国の希望の星だった。昨年、弱冠15歳でプロ転向し2年目で待望の初V。約1560万円の賞金の使い道には「何も考えられない。家族と楽しい時間を過ごしたい」と照れた。成長著しい新星が、米女子ゴルフ界をリードしていく。

 ◆アレクシス・トンプソン

 1995年2月10日、米フロリダ州生まれ。07年全米女子オープンの予選会を突破し12歳で史上最年少出場(予選落ち)。昨年プロ転向。メジャー最高位は昨年全米女子オープンの10位。兄ニコラス(29)もプロゴルファー。180センチ。※■は女ヘンに尼