<男子ゴルフ:パナソニックオープン>◇最終日◇25日◇滋賀・琵琶湖CC(7005ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 「酒豪鉄人」が、念願の地元Vを果たした。4打差6位から出た平塚哲二(39=甲賀CC)が67で回り、通算8アンダーの276で逆転勝ちした。京都出身で中学生からプレーしていた地の利を生かし、11番パー4でミラクルイーグルを奪うなど難コースを攻略。09年中日クラウンズ以来の通算6勝目を挙げた。賞金ランクは5位に上がり、今大会の賞金が加算されるアジアンツアーでも1位に浮上した。

 大好きな酒を口にしなくても平塚の顔は紅潮していた。「最高です。今までで一番うれしいです!」。会場から車で約20分の大津市内に住みながら、前夜も深夜1時近くまで店をハシゴした。「夜はゴルフを忘れてパーッとやる」。毎晩酒を飲むのは決まり事だ。二日酔いはしないが、この日の朝は恥ずかしいミスを犯した。

 1番ティー。構えた瞬間「ズボンのチャックが開いている…」と周囲からささやきが聞こえた。「仕切り直してチャック閉めるのもカッコ悪いし。笑いながら、もうええわ、と思って打ちました」。球は右ラフへ曲がり、3パットのボギー発進。それでも幸運は後半にやってきた。

 首位と3打差で迎えた11番パー4。左バンカーから残り162ヤードの第2打を8番アイアンでカップに放り込んだ。「あれで絶対勝てると思った」。09年からアジアンツアーに参戦、今季は欧州にも挑戦し計11カ国を回った“鉄人”だ。今大会の賞金が加算されるアジアンツアーのランクは1位に浮上し、日本でも5位に上がった。史上初のアジア&日本のダブル賞金王へ「両方狙いたいです」と宣言した。【木村有三】