<男子ゴルフ:コカ・コーラ東海クラシック>◇初日◇29日◇愛知・三好CC(7310ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 池田勇太(25=日清食品)が6バーディー、2ボギーの68で回り、今季初の首位スタートを切った。クラブとスイングの全面改造で劇的に復調。前日のプロアマ戦で5発連続林に打ち込んだ6番パー4、ボールをなくした8番パー3で、見事にバーディーを挙げた。石川遼(20)と激しい優勝争いを演じた2年前の再現で、同じ愛知開催の日本女子オープン以上の集客を目指す。

 前日の悪夢がうそのようだった。6番パー4。池田はドライバーで左ラフに運ぶと、第2打をピン奥3メートルに寄せ、バーディーを挙げた。前日は第1打を5回打ち、すべて右の林に消えていた。「泥沼に足を突っ込んでた。片足だけ抜けたってとこだな」。3番ユーティリティーで3回打ってもグリーンに乗らず、1球は崖下に消えた8番でもバーディー。終わってみれば今季初の首位発進となった。

 相棒の助言が効いた。前日、悩む池田は福田キャディーから「いい時は今よりバックスイングが高く上がる」と指摘された。最初は「分かってるけど、難しいんだよ!」と感情的に返したが、すぐ冷静になってフォーム修正に着手。矯正したスイングに合うよう、ドライバーのヘッドも小さく、シャフトを短くした。

 本番の朝もクラブを微調整しながら、200球近く打ち込んだ。「ケツが痛い。この調子じゃ1週間で1500球くらい打つことになるな」。急ピッチの調整が功を奏し、言葉も弾んだ。ルーキーの08年に2位。翌年は石川遼と大熱戦を演じて3位と、思い入れの強い大会だ。「遼との優勝争いは、今までの試合の中でも特に楽しかったよ」と言う。石川と2人ともに得意の大会は数少なく、久々の優勝争いも期待される。今最も客を呼べる熱戦を制し、男女並行開催の「名古屋ダービー」も集客で勝利する。【塩畑大輔】