<男子ゴルフ:ダンロップフェニックス>◇最終日◇20日◇宮崎・フェニックスCC(7010ヤード、パー71)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 武藤俊憲(33=赤城CC)が、大逆転勝利で賞金王への望みをつないだ。4打差6位から出て、自己ベストの63をマークして通算12アンダー。2位ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(31)に4打差をつけて、2年ぶりのツアー通算4勝目を挙げた。大会前に青木功(69)から助言をもらい、持ち味のショットが復調。賞金ランクは6位に浮上し、逆転賞金王の可能性も残った。

 風速10メートル近い風も、絶好調の武藤には関係なかった。17番パー3では7割の力で振った第1打がピン奥2メートルへ。「バーディーパットはほとんど2メートル以内。ショットが良かった」。会心の逆転勝ちに目尻を下げた。

 「世界のアオキ」のレッスンが効いた。大会前の16日、テレビ解説で訪れていた青木から「左手甲から左肘、そこで球を打て」と助言を受けた。「プロ同士の感性で分かった」と武藤。08年から目をかけてもらっている大御所の教えで、持ち味のショットが復調。9バーディーを量産した。

 昨年10月の日本オープンでは、優勝争いしながら最終日最終ホールの4パットで3位に惜敗。しばらくショックを引きずっていたが、親交のある歌手中条きよしの励ましで立ち直った。2年ぶりの勝利で今季賞金ランクは6位に浮上。逆転賞金王への条件は残り2戦2勝と厳しいが「3連勝する気持ちでやりたい」と力を込めた。【木村有三】