<女子ゴルフ:西陣レディス>◇2日目◇14日◇熊本空港CC(6482ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 史上最大の逆転劇へ、金田久美子(22=レプロエンタテインメント)が首位に2打差の4位に急浮上した。インスタートの“裏街道”から7バーディー、1ボギー。プロ入り後のベストスコアタイの66で通算2アンダーとした。初日は57位。きょう15日の最終日に逆転Vを飾れば、日本女子ツアーの3日間競技で最大の“大まくり優勝”だ。

 ラインが見える。距離感もバッチリだ。最終9番、金田は下り10メートルのバーディーパットを沈め、最高の1日を締めくくった。「楽しかったですね~」とニヤけるのも無理はない。初日57位から、首位と2打差4位で最終日へ。予選落ちがちらつく“裏街道”のインスタート10番から、いきなり10メートルを沈めて7バーディーを量産。プロ転向後のベストスコアタイ66で、リーダーボードを駆け上がった。

 今大会直前からコンタクトレンズをはめた。10年1月に視力矯正手術を受け、8年間のコンタクト生活に別れを告げた。視力は1・0を超えた。しかし…。昨年8月、運転免許の更新はクリアしたが、妙に見えにくい。「悪くなってるのが怖い」と逃げてきた視力検査を、10日に周囲の勧めで泣く泣く受けた。0・7まで落ちていた。コンタクトを作ってもらった。

 新パターも効果を発揮した。ヘッドが白く重たいタラコ形で、見た目はまるでユーティリティーアイアン。日本未発売のものを2週前から投入した。「ショートパットがよく入る。でも、先週まで距離感が合わなかった」という。この日はウソみたいに決まった。

 初日57位からの優勝となれば、日本女子ツアーの3日間競技で史上最大の“大まくり”になる。次戦20日開幕のフジサンケイレディスで、涙のツアー初優勝から丸1年。「目が乾いちゃって、しょうがないんですよ」といたずらっぽく笑うキンクミの目に、歓喜のゴールが見えている。【加藤裕一】