<ゴルフ:アジア・パシフィック・アマチュア選手権>◇最終日◇4日◇バンコク・アマタスプリングCC(パー72)

 関天朗(14=中国)が通算15アンダー273で優勝し、来年のマスターズ出場権を獲得した。14歳168日での出場は、マテオ・マナセロ(イタリア)の16歳354日を大幅に更新する、史上最年少記録となる。

 「次世代のタイガー」が世界に名前をとどろかせた。関は最終日も前半からスコアを伸ばし、一時は2位に5打差をつけて独走態勢を築いた。中盤からボギーを重ね、最後は1打差にまで迫られたが、貯金にモノをいわせて逃げ切った。

 14歳の快挙。しかし「オーガスタに行くためには、もっとバーディーを取らないといけないと思っていた」ともらした。昨年の世界ジュニア選手権では、2位に11打差をつけ優勝。中国アマ制覇で4月のボルボ中国オープンにも出場し、欧州ツアー史上最年少出場記録もつくった。輝く才能は、周囲がウッズをたとえに出すまでもなく「彼の世界一の選手への歩みは、僕にとってすごく勉強になっている」と言い切る。

 05年には上海開催のHSBC選手権で、初めてウッズのプレーを観戦。10年には同選手権のプロアマで、17番パー3をウッズと一緒にプレーする機会にも恵まれた。アマ用ティーから打つことを勧められるも拒否。ウッズと同じ212ヤード先のピンに、3番ウッドで3メートルにつけて喝采を浴びた。

 直後にはウッズが、4番アイアンで2メートルにつける様も目の当たりにした。やっぱりタイガーはすごい-。会うたびにあこがれが強まるアイドルと、世界最高峰の舞台で競演する権利を、今回の優勝で獲得することができた。最終日の内容には満足しなかった関だが、マスターズ出場については「すごくうれしい!

 両親にもありがとうと言いたい」と手放しで喜んだ。

 優勝の余韻に浸る間もなく、5日早朝には中国に戻り「本業」の通学を再開する。あどけない顔で、14歳が世界を驚かせ続ける。

 ◆関天朗(ぐあん・てぃんらん)1998年10月25日、中国・広州市生まれ。父の指導で4歳からゴルフを始める。9歳でバックティーからアンダーパーで回るなど、天才少年として国内で有名に。11年世界ジュニア選手権優勝。同年中国アマ優勝。12年4月にボルボ中国オープンで、欧州ツアー最年少出場記録樹立。