<女子ゴルフ:フジサンケイ・レディース>◇第1日◇26日◇静岡・川奈ホテルGC富士C(6367ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 佐伯三貴(28=日立アプライアンス)が3アンダー、69で日本人最上位の首位と1打差5位で発進した。最大10メートルを超える強風の中、5バーディー、2ボギーで、先週のKKT杯バンテリン・レディースに次ぐ2週連続優勝に狙いを定めた。イ・ナリ、姜秀衍、ヤング・キム(いずれも韓国)テレサ・ルー(台湾)の4人が4アンダー、68で首位に立った。

 川奈名物の海風でスコアを崩す選手が続出する中、佐伯が踏みとどまった。2番でチップインバーディーを奪うと、3番、5番でバーディー。3アンダーにして迎えた6番のパー3。佐伯の第1打の前に、ギャラリーがダラダラとフェアウエーを横断し続けた。「止まってください!」。佐伯の凜(りん)とした声が響き渡った。注目の1打をビシッとピン前3メートルにオンさせてバーディー、4アンダーまで伸ばした。「止めるのに必死でしたから。でも、声を出すのはいいですね。スッとしました」と笑顔で振り返った。

 その後は1バーディー、2ボギー。「前半は、どこまでいくんだ?

 って感じでした。でも、そうはいかないのが川奈。後半に風が出てきた中で、60台で回れて良かった」。昨年12月に頸椎(けいつい)ヘルニアを手術。ケアのために、前夜は伊東の温泉にしっかりとつかった。「高麗グリーンにも対応できてる。風の中で打ち急がず自分のタイミングで打つことを心がけました」。今大会では07年にプロ登録112日目で初優勝して、当時の最速記録を作った。「明日、終わってどこにいるか。そこで判断したい」と、6年ぶりの大会2勝目を見据えた。【小谷野俊哉】