<男子ゴルフ:日本プロ選手権日清カップ>◇最終日◇19日◇千葉・総武CC総武C(7327ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 4打差の単独首位で出た松山英樹(21=東北福祉大)だが、75の大ブレーキで通算4アンダー280の2位に終わった。4連続ボギーなど、7番までに5つスコアを落として首位から転落。終盤巻き返し、首位に並んで最終ホールを迎えたが、最後にボギーをたたいてプレーオフ進出を逃した。同5アンダーで優勝の金亨成(33)に許した9打差逆転は、日本ゴルフツアー機構がツアーの主管をはじめた99年以来、最大差逆転記録。それ以前も含めてもタイ記録となった。

 大観衆のため息の中、思わず天を仰いだ。最終18番パー4。松山は2メートルのパーパットをカップ右に外した。「切れるか切れないか、すごく迷った。進藤キャディーからは、真っすぐで行こうと言われたんですけど、すごく不安があって、ちょっと右を向いたら右に抜けました」。この瞬間、プロ4戦目での最速メジャー勝利の夢も消えた。

 4打リードで迎えた最終日。プロ入り後3試合で見せてきた強さと、今大会ここまでの内容をみれば、逃げ切りVは確実と思われた。しかしこの日は、生命線のパットが突如スランプに陥った。きっかけは1番パー4。パーパットを外して、自信が揺るぎだした。

 松山

 50センチくらいだったんですけど、簡単に打ちすぎました。昨日までのパットがあまりにも良かったので、その感じでつい簡単に行ってしまった。そこから違和感が出てきた。ラインをどうやって読んだらいいか、分からなくなった。

 パットに自信が持てない分、すこしでもショットをピンに寄せようとするあまり、自然体で放っていたショットも乱れだした。4番パー4では前日の3番ウッドでの刻みから一転、強振したドライバーで340ヤードを稼いだ。しかし薄い逆目の芝上から、残り80ヤードの第2打がトップ気味になり、グリーン奥に外れてボギー。ここから4連続ボギーと一気にスコアを崩した。

 後半は最難関の15番パー4で、15メートルを沈めるスーパーパット。バーディーで首位に並び、大歓声を浴びた。自作自演を疑わせるほどの見せ場をつくったが、17番で4メートルのバーディーパット、18番で2メートルのパーパットを続けて外し、最後までパターに泣いて敗れた。

 2位に入ったことで、次戦のダイヤモンド・カップでの優勝という条件ながら、6月の全米オープンに出場できる世界ランク60位以内の可能性は残った。

 しかし優勝決定的の独走態勢から、まさかのV逸。1番で丁寧にパットを打っていれば-。終盤のパットが決まっていれば-。第2日に動いたボールをそのまま打って受けた2罰打が、最後に響いたという見方もできる。見る者にさまざまな「たられば」を思わせ、ハラハラもさせながら、それでも最後まで優勝争い。悔しい敗戦は、一方で松山の強さ、千両役者ぶりを際立たせた。【塩畑大輔】