<米男子ゴルフ:米男子ツアー入れ替え戦・ウェブドットコム・ツアー選手権>◇最終日◇9月29日◇米フロリダ州TPCソーグラス・ダイズバレーC(6864ヤード、パー70)◇賞金総額100万ドル(約1億円)優勝賞金18万ドル(約1800万円)

 石川遼(22=CASIO)が、早くも来季米ツアーでの「リベンジ」を誓った。1イーグル、3バーディー、4ボギーの69で回り、通算6アンダー274で8位に入った。入れ替え戦4試合で賞金約9万404ドル(約900万円)を獲得し、来季レギュラーツアー出場優先ランクは13位に。今季実績に当てはめると、25試合前後は出られる見通しとなった。チェソン・ハドレー(26=米国)が通算10アンダーで優勝した。

 来季レギュラーツアーの出場権を得た50人が集った入れ替え戦閉幕式。晴れやかな笑顔で会場に現れた石川だが、時折どこか遠くを見つめていた。

 石川

 限られた期間で結果を出せてホッとしているのと同時に、こんなところでもがいていていいのか、とも思う。上で結果を出す人は、下部ツアーの賞金ランク1、2位で上がっている。せめてトップ5で終わりたいと思っていた。

 そのためにはこの試合での優勝か、それに準ずる成績が必要だった。序盤の3番パー4では、10ヤードのチップインイーグル。首位と2打差の4位にまで迫った。しかしその後は、好調だったパットのタッチが合わず、得意の10番以降でもスコアが伸ばせなかった。

 それでも今季実績で、6~7割の試合には出場できる位置は確保した。「このままでは選手生命にかかわる」と宣告された重い腰痛を克服し、スイングへの大幅改造をしながら、初めて米ツアーを1シーズン戦い抜いた。多くのハンディを乗り越えて得たツアーカードには、特別な価値がある。

 石川

 序盤は特に心身共にドタバタでした。こういう形だけど、1年目を何とか乗り切ることができた。ここからはい上がっていくしかない。日本にいいニュースは届けられなかったけど、来年こそは。

 閉幕式入場直前。石川は急に「納得いかない」と首を振った。そしてバッグからパターを取り出し、素振りを始めた。同行スタッフには「明日は練習ラウンドする」と宣言。ひと息つくこともなく、2季目のリベンジに燃えている。【塩畑大輔】

 ◆石川の来季出場資格

 近年のメジャー優勝者や前季ポイントなどで125位に入ったシード選手らに次ぐもの。シード選手が毎試合全員出場はしないため、大半の試合で出場権がめぐってくる。しかし通常の大会でも120~156と試合によって変わる出場選手枠や、推薦出場選手の数などによって、出られない大会もある。さらに6戦目が終わった11月末までの成績で優先順位を付け直す「リランキング」もある。メジャーや世界選手権シリーズは通常の出場資格とは別に、世界ランクなどの出場条件がある。

 来季は10月10日開幕で、8月14日のウィンダム選手権まで、レギュラーシーズンは39試合。石川は現時点で開幕戦フライズコムオープンと、翌週のシュライナーズホスピタル・オープン、さらに世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズの3試合は出場予定。