<米男子ゴルフ:フライズコム・オープン>◇第3日◇12日◇カリフォルニア州・コーデバレーGC(7379ヤード、パー71)◇賞金総額500万ドル(約5億円)優勝賞金90万ドル(約9000万円)

 石川遼(22=CASIO)がスーパーショット連発で、優勝戦線に踏みとどまった。10番パー4で第2打を直接カップインさせ、17番パー4では1オンに成功するなど、1イーグル、5バーディー、3ボギーの67をマーク。首位と5打差の通算10アンダー203の7位で、最終ラウンドを迎える。

 10番パー4。石川はピンまで残り101ヤードの第2打を、ロフト55度のウエッジで狙った。

 石川

 あんなにうまくいくと思わなかった。ピンと同じ段に乗せるだけでも難しい状況。左からの風で、しかもつま先下がりで、どうしてもフェードがかかる。でもそれでは右の段下にこぼれていく。何とかドローを打ちたかった。打った瞬間、きちんと仕事ができたことに、すごくうれしくなりました。

 3番ウッドを抜いた代わりに、アプローチとサンドの間の難しい距離対策で加えたウエッジが、勝負どころで仕事をした。ご褒美のように、ボールは直接カップイン。両手を挙げて、今季初イーグルを喜んだ。

 序盤からショットは絶好調。1番1メートル、2番60センチ、5番は30センチとベタピンにつけ続け、バーディーを重ねた。「ピュアなショットを打てた。思った通り、素直にボールが飛んでくれた」。17番パー4ではピンまで280ヤードの第1打を、ドライバーで30ヤードほどスライスさせる技ありショットで、ピン右6メートルに1オン。大観衆を大いに沸かせた。

 スタート直前、アプローチ練習場で大型のクモを発見。なんとその場で携帯電話を使い自分の公式サイトに写真をアップした。これまでは優勝争いの中で気持ちが入りすぎミスを重ねることが多かったが、周囲やファンに配慮する余裕も生まれ、プレーにもプラスに働いている。

 「5打差の逆転は簡単じゃない。正直試合の流れ次第。でも自分から仕掛けることで、流れを変えることもできる」。米ツアーでの苦闘の中で得た自信を生かして、久々に最終日の優勝争いに加わる。【塩畑大輔】