【上海(中国)28日=木村有三】石川遼(22=CASIO)が、今年最後の米ツアー出場試合を勝利で締める。世界選手権シリーズ兼米ツアーのHSBCチャンピオンズは31日、当地の佘山国際GCで開幕する。20日終了のシュライナーズホスピタルオープンで米自己最高タイの2位に入った石川はこの日、イン9ホールの練習ラウンドで調整した。「状態は上がって、石川遼のゴルフができる」と自信ありげ。1日4アンダーのノルマを達成して、今週も優勝争いに加わる。

 世界の強豪がまだ姿を見せないコースで、石川は黙々と練習ラウンドをこなした。たくましく見えるのは、薄く生えた無精ひげだけが理由じゃない。確かな手応えと自信をにじませ、好調の要因を3つ口にした。

 「一番大きいのは慣れ。移動も、ホテル暮らしも、アメリカの文化にも慣れた。次は体。腰が良くなって、満足できる練習がこなせる。その次にゴルフの状態です。普通の石川遼のゴルフを構成できている」

 サラリと言った“普通の石川遼のゴルフ”とは、ティーショットでアドバンテージを握るゴルフだ。「ドライバーがいい状態。いい場所に運べるからいいリズムが作れる。だから、ショートアイアンでピン近くに寄せることができる」と、自己分析した。

 今月10日から始まった新シーズンでは、完全に昨季の不振を抜け出した。開幕戦のフライズコム・オープンでは最終的に21位も、第3日終了時では7位と健闘。2戦目の前戦シュライナーズホスピタルオープンでは、米自己最高タイの2位に入った。来季シードを左右するフェデックスポイントも2試合で293点を獲得。「目標のポイントを稼げた」とうなずいた。

 今年の米ツアー出場試合は、HSBCチャンピオンズで最後。次週は約5カ月ぶりに国内大会に出場する。この日までに、HEIWA・PGM

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 霞ケ浦(11月7日開幕、茨城・美浦GC)へのエントリーを済ませた。ファンを喜ばせるためにも、2位より上の勲章が欲しい。「1日4アンダー、最終的に16アンダーを目指したい」。視界に入った頂点だけを狙っていく。