<海外男子ゴルフ:W杯>◇最終日◇24日◇オーストラリア・ロイヤルメルボルンGC(7046ヤード、パー71)◇賞金総額800万ドル(約8億円)個人優勝賞金120万ドル(約1億2000万円)団体優勝賞金60万ドル(約6000万円)

 日本代表の石川遼(22=CASIO)と谷原秀人(35=フリー)が、プレ五輪に位置付けられる大会で“入賞”を果たした。五輪と同じストローク形式の個人戦で、石川が通算3アンダー281の5位、谷原が同2アンダーの7位と、ともに上位に入った。2人の合計スコアで争う国・地域別対抗戦(五輪では行われない)では、オーストラリア、米国に次ぐ3位と健闘した。

 まるで合図したかのように、同時にバーディーを挙げた。17番パー4。石川はすぐとなりに見える15番グリーンで、谷原が3メートルのバーディーパットを決めるのを確認すると、自分も8メートルの長いパットをねじ込んでバーディーを挙げた。「団体戦らしい感じ。試合が終盤に向かうにしたがって、チームの結束が強まった」。一気に2つ伸ばしたスコアがものをいい、最終18番でビヨンがボギーをたたいたデンマークに追いつき、団体戦3位に入った。

 ゴルフが正式競技に採用されるリオ五輪を想定し、同じ形式で行われた個人戦でも、この同時バーディーで石川は5位に浮上した。メダル圏内には届かなかったが、個人、団体合わせると、国内ツアー大半の試合の優勝賞金を上回る2950万円を獲得した。

 今大会は世界ランク2位のスコットらが出場したため、通常の米ツアー戦を上回る設定で、同ランクのポイントが配分される。そのため現在の同110位から、90位前後まで順位が上がる見込み。石川にとって、今年の3月以来の100位以内復帰となる。

 谷原とは3日連続で夕食をともにし、語り合った。「これまでなかったいい時間が持てた」。大会出場者は国内ツアーの2年シードも獲得できる。数々のお土産を、石川が南半球から持ち帰った。