関西出身初の女王へ-。女子ゴルフの今季最終戦LPGAツアー選手権リコーカップは今日28日、宮崎CC(6451ヤード、パー72)で開幕する。賞金ランク1位森田理香子(23=リコー)は27日、公式練習でインのみを回った。日本女子プロゴルフ過去45年において、関西出身の賞金女王はいない。賞金2位横峯さくら(27=エプソン)を抑えて逃げ切れば、京都生まれの森田は歴史に名を刻むことになる。

 森田と横峯の差は、約281万円。ともに“勝てば女王”という今世紀最少差の最終戦一騎打ちだが、森田が逃げ切れば「初の関西出身女王」という思わぬ名誉が待っている。

 森田はその事実を知らなかった。「え~?

 そうなんや~」。1968年(昭43)に樋口久子(現日本女子プロゴルフ相談役)が初代女王に輝いて以来、関西出身の女王はいない。埼玉生まれの樋口が君臨した草創期。台湾の■、宮崎の大迫、広島の岡本らが台頭した80年代。愛知の塩谷、神奈川の福嶋らの90年代を経て、00年以降は熊本の不動を筆頭に九州勢が独占。最近3年は韓国勢が幅を利かせてきた。

 そのタイトルに、京都生まれの23歳が王手をかけた。「私がなれたら、そらうれしいです。うれしいけど、やめてくださいよ~」。京女らしく、はんなりと照れ笑いを浮かべた。

 この日は練習ラウンド後に公式会見に出席。昨年のイーグル女王(11個)は「4日間で1個はとりたい」と意欲を見せた。理想は「ショットもパットもよくないとダメで、一番かっこいい」という「パー5の2オン1パット」だ。今季は現在7個で部門別ランク3位だが、理想型で奪ったものは5個。そのうち4個は今季4勝したトーナメントで奪ってきた。決めれば勝率8割の“必殺技”で国内メジャー初制覇、関西勢初の女王の座を手に入れるつもりだ。【加藤裕一】

 ◆賞金女王の出身地

 歴代18人おり、日本人は15人。最多は九州の8人で中でも熊本は4人を輩出している。関東は3人、中部は2人、北海道、中国が各1人。海外は韓国2人、台湾1人。

 ◆はんなり

 京都の方言で関西中心に用いられる副詞。落ち着いた華やかさ、上品に明るいさまを表現する。語源は「花(華)なり」とされ、転じて「はんなり」と発音するようになった。

 ※■はサンズイに余