<男子ゴルフ:東建ホームメイト杯>◇第2日◇18日◇三重・東建多度CC名古屋(7109ヤード、パー71)◇賞金総額1億3000万円(優勝2600万円)

 池田勇太(28=日清食品)が4バーディー、1ボギーの68で回り、通算7アンダーで首位に2打差の3位で決勝ラウンドに進んだ。石川遼、松山英樹が米ツアーを主戦場とし空洞化が懸念される日本ツアー。その国内開幕戦で選手会長2年目の池田が優勝し、ツアーを盛り上げる。プロとしてツアーデビュー戦となる大堀裕次郎(22)と、武藤俊憲(36)の2人が通算9アンダーで首位に並んだ。

 池田の12番パー5の第2打。右ラフで、前方には杉の大木が立ちふさがる。木に当たれば谷底だ。刻むか悩んだが「木の左からフェードを打てばいい」と、ピンまで267ヤードを3番ウッドで果敢に2オンを狙った。ショットは左から右に軽く曲がる高弾道で、障害物をかわし、グリーンに着弾。大歓声に少しドヤ顔をしたが「あんなのプロなら当たり前でしょ」と言ってのけた。

 国内開幕戦を前日に控えた16日。選手会長2年目の池田はプロアマ戦を観戦に訪れたギャラリーに「男子プロのすごさをお見せします。女子にもシニアにも負けない」と宣言したばかり。池田は早くも“勇(有)言実行”してみせた。

 第1日から、この日の16番まで34ホールボギーなしの好調プレーが続いた。しかし17番で第1打を打とうとした時に、ギャラリーの歓声が他ホールから聞こえ右にOBしてボギー。ボギーなしは途絶えたが、通算7アンダーで首位に2打差の3位の好位置で決勝ラウンドへ行く。「まだ調子は中の上もいってないけど、いい位置だね」。

 松山と石川が米ツアーに戦いの場を求め、国内第一人者の自覚は十分だ。「俺が活躍することで盛り上げられれば」。開幕前夜にはNHKテレビに出演してPR役を担った。5年連続優勝中だが、ここ3年は各1勝止まり。通算11勝の実力者が公言する「年間複数大会優勝と賞金王争い」の目標へ、早くもその第1歩が訪れた。【町野直人】