<女子ゴルフ:KKT杯バンテリンレディース>◇最終日◇20日◇熊本空港CC(6455ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 アマチュアの勝みなみ(鹿児島高1年)が、「15歳293日」の日本女子ツアー史上最年少優勝を飾った。

 コーチはいない。勝は完全な独学でゴルフを磨いてきた。6歳でゴルフを始めた時、ハンディ7の祖父龍作さんが教えたのはグリップだけ。「女の子で筋力も弱いから」と、右手小指と左手人さし指を交差させる「インターロッキング」を教えた。ところが、勝手に野球のバットを握るような「ベースボールグリップ」と解釈。左手親指を右手で握り込み、左手人さし指は中1で骨折した時にかばった癖が残り、ややグリップから浮かせる変形だ。圧倒的少数派の握り方を「他のはできません」と言う。

 スイングも自分で作り上げた。柔軟な体をフルに生かした大きな軌道で「理想は真っすぐボールが飛ぶスイング」。龍作さんがビデオ係となって、動画を随時チェック。調子が良かった時のスイングが基準だ。

 「ずっと1人でやっていると、いっぱいいっぱいになってストレスもたまる。最近『コーチも必要かな』と考えるけど…。理想は自分1人でやること」。約5校のゴルフ強豪校の誘いを断り、ゴルフ部のない鹿児島高を選んだのも、覚悟の表れだ。