<女子ゴルフ:サイバーエージェント・レディース>◇第2日◇3日◇千葉・鶴舞CC(6515ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 アマチュアの堀琴音(18=兵庫県ゴルフ連盟)が、通算8アンダー136で首位に浮上した。パットが好調な上、運も味方に6バーディー、1ボギーの67で回った。アマの森田遥(17=香川・高松中央高3年)も首位に並び、複数アマが首位で最終日を迎えるのは、88年ツアー制度施行後初。2人のアマが最終日最終組を回るのも初になる。

 勝のアマVに後押しされるように、週替わり、日替わりで新ヒロインが誕生している。この日は堀琴だ。3番で5メートルの下りスライスを決めたのを口火にパットが好調で、自己採点は「ほぼ100点」。プロで姉の奈津佳(21)が通算15オーバーと沈む中、それを23打上回った。アマが首位で最終日を迎えるのは史上3大会目という快挙だ。

 「素直にうれしい。最終日最終組を回れるなんて、夢のよう」とさわやかに笑った。「ラッキーな1日」とも振り返る。10番では左に曲げた第1打がはねてフェアウエーに戻った。17番ではピン左13メートルからのパットが入った。同時に「ミスしたところはパーでしのぎ、距離の短いところはピンを狙うと、その見極めができた」と、コース攻略に自信もついた。

 姉奈津佳が初優勝した昨年3月アクサ・レディースは宮崎まで見に行った。「自分もああなりたい。でも、まだまだだ」と感じたという。今大会は姉と練習ラウンドを行い、「難しいコースだから落ち着いてプレーを」と助言された。60台のスコアを出すことと、自己最高位となる30位以内が目標だった。それが史上5人目のアマ優勝、歴代4番目の年少Vを射程圏とした。

 ところが、目標を上方修正することはしない。「優勝は意識しない」「緊張感の中でのプレーを楽しみたい」「世界で活躍する申さんから、1つでも多く学びたい」。森田遥とは昨年の日本ジュニア最終日も同組で、勝っているが「(森田遥は)すごくうまいし、精神的にも強い」と謙虚だ。その無欲さが、逆にプロを脅かすかもしれない。【岡田美奈】

 ◆アマの首位

 最終日を首位で迎えたアマは、88年ツアー制度施行後過去2人で、05年中京テレビ・ブリヂストンの諸見里しのぶ(当時18歳、最終順位3位)と、06年大王製紙エリエールの藤本麻子(同16歳、同10位)。堀琴と森田遥はこれに次ぎ、複数アマが並ぶのは初。最終日最終組にアマ2人も、記録が残る02年以降は初めて。