<女子ゴルフ:サントリー・レディース>◇第3日◇13日◇兵庫・六甲国際GC(6511ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 プロ4年目の工藤遥加(21=ナック)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算8アンダーでアン・ソンジュ(26)と首位に並び、初の最終日最終組でツアー初優勝に王手をかけた。父はプロ野球西武などで活躍した公康氏(51=日刊スポーツ評論家)、兄は俳優阿須加(22)。父の日の最終日、工藤家の長女遥加がブレークする。

 17番パー5。工藤の第1打が右の林に向かっていった。ボールはカート道で跳ねて前へ。林の中に入ったボールの位置からは、幸運にも木と木の間にわずかな隙間があった。6番アイアンで低く出し、得意距離の100ヤードを残した。58度のウエッジでフルショット。ピン50センチにつけ、バーディーを奪った。通算8アンダーで2位から首位に浮上し、自身初の最終日最終組を決めた。

 「あれ(ショット)、カート道を狙ったんですが」。父親似の大きな目をクリクリさせて冗談を言う余裕も出てきた。父公康氏は名球会投手で、その長女として生まれた。ジュニア時代、プレーではなく「工藤投手の娘」として注目されるのがイヤだった。プロ4年目の今は「別に気にならなくなった」。

 1歳上の兄阿須加は、TBS系の人気ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」に出演しブレーク中だ。「見られなかったのを録画して父と一緒に見ます。その時に会話がありますね」。同ドラマは今日15日、セミファイナルを迎える。父は「(日本)シリーズ男」と言われて勝負強かった。父の日に、長女がプロ初勝利という“ドラマ”をつくる。【町野直人】

 ◆工藤遥加(くどう・はるか)1992年(平4)11月18日、東京生まれ。東京・日出高卒。11年プロテストは最終日66で9位合格、同年の新人戦加賀電子杯優勝。昨季賞金ランク121位。家族は両親、兄、弟、妹2人。171センチ、65キロ。