【パインハースト(米ノースカロライナ州)17日=加藤裕一】今季メジャー第2戦全米女子オープンが19日、パインハースト&リゾート(6649ヤード、パー70)で開幕する。初出場となる16歳のアマチュア橋本千里(ルネサンス豊田高1年)は2日連続で18ホールの練習ラウンドを消化。同学年でツアー最年少優勝記録保持者の勝みなみ(15)から応援メールをもらい、予選通過を目指す。

 気温35度を超えるコースで2日連続で18ホールの練習ラウンドを終えた。「暑いです。湿気がすごくて」。苦笑いした橋本のほおは、真っ赤だった。16歳。151センチの体にメジャーのコースはやはり厳しい。

 それでも、可能性を感じさせたラウンドだった。4番の451ヤード、16番の458ヤードというパー5級のパー4で、第2打はともに5番ウッドを握った。「今日の16番はショートしたけど3番ウッドなら(届く)」。

 日本地区最終予選(5月19日、東名古屋CC)を突破してから、不安ばかりだった。全米ゴルフ協会(USGA)から出場申込書など次々に送られてきたメールは当然、英語。「本当に私が出ていいのかな」とこぼすと、母和己さんが「大丈夫、全部ママに任せなさい!」と言ってくれた。実はママも知人に翻訳を頼んだり必死だったのだが…。

 今大会注目の最年少地区予選通過者ルーシー・リー(11)とは15日に記念撮影。「身長、負けました」。だが157センチの11歳にプレーで負けたくはない。勝みなみから「がんばって!」とメールをもらった。良きライバルとして、先に出場するメジャーで結果を残したい。「目標は予選通過です。でも、そこはあまり考えずに自分のゴルフをやりたいです」。16歳の大冒険が、幕を開ける。

 ◆橋本千里(はしもと・ちさと)1998年(平10)4月24日、名古屋市生まれ。ゴルフは9歳から。12年日本ジュニア(12~14歳の部)2位。昨年、ツアー出場3試合。ドライバー平均飛距離240ヤード。得意クラブはパター。家族は父恭成(やすまさ)さん(48)母和己さん(47)。151センチ、53キロ。