<女子ゴルフ:サマンサタバサ・レディース>◇第2日◇19日◇茨城・イーグルポイントGC(6528ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 木戸愛(めぐみ、24=ゼンリン)が通算8アンダー136で4打差7位に浮上した。14位から出て、7バーディー、2ボギーの67で回った。試合のなかった先週、男子ツアー5勝の芹沢信雄(54)の指導を受けて技術的にも精神的にも充実。一昨年の本大会で初優勝を果たしてから2勝目が遠かったが、チャンスが巡ってきた。

 最終18番の第2打、残り148ヤードのラフから7番アイアンを握って、木戸は慎重に構えた。左足上がりの難しいライで、フライヤーも警戒。「頭が騒ぐのが収まるまで待ちました」。イメージ通りの伸びやかなスイング。バーディーパットこそ外したが、きっちりグリーンをとらえる好ショットだった。

 67に「まだチャンスはあったけど、最後までいいゴルフができた」と顔をほころばせた。スイカやブドウが描かれたフルーツ柄のカラフルなパンツも、172センチの長身だから着こなせる。グリーンのシャツ、靴とベルトはオレンジで、日焼けした肌によく似合う。

 先週は芹沢や宮本勝昌らと静岡県内で3日間合宿。小技巧者の芹沢から指導を受けた。チップの際、頭の位置が下がり、手首のコックを使う癖を矯正された。サンドウエッジ一辺倒ではなく、ピッチング、8番、9番アイアンを使う技も伝授された。この日は1パットパーは2つにとどまったが、小技の底上げは、よりピンをデッドに狙える気持ちの余裕につながる。

 一昨年に勝ったコースで「グリーンも読みやすい。決め打ちできる」のも心強い。2勝目が来ないことも「1勝できたから、そういう悩みを持つことができる」と前向きに受け止めている。

 「時間を大切に」の意味を込めて、女子プロでは珍しく腕時計をしたままプレー。「自分へのご褒美」とこれまでカルティエ、ロレックスの2個を購入し、この日は紺地のロレックスだった。3個目の「ご褒美」は、待望の2勝目を挙げた時か。【岡田美奈】

 ◆木戸愛(きど・めぐみ)1989年(平元)12月26日、神奈川県生まれ。父はプロレスラーの木戸修。10歳からゴルフを始め、東北高の寮では原江里菜と同室に。06年全国高校選手権優勝。08年プロテスト最終日最終ホールでチップインイーグルを決めて一発合格。11年賞金ランク49位で初シード獲得、12年ツアー初優勝。昨季は3位が最高位でランク38位、今季は2週前の日医工レディース4位が最高位でランク39位。得意クラブはドライバー。172センチ、56キロ。