16年リオデジャネイロ五輪で実施競技に復帰する男女ゴルフの出場優先順位を示す「五輪ランキング」が22日、国際ゴルフ連盟(IGF、本部スイス・ローザンヌ)の公式サイト上で発表された。男子は全英オープン選手権で優勝したロリー・マキロイ(25=英国)が2位となり、松山英樹(22)が12位、小田孔明(35)が27位で出場権を得る60位以内に入った。女子は20位の横峯さくらと23位森田理香子(24)が出場枠に入り、現時点では宮里藍(29)ら米女子ツアー勢は圏外となった。

 ロード・トゥー・リオデジャネイロの始まりだ。ゴルフが実施競技に復帰する2年後の五輪に向け、IGFが初めて五輪ランキングを発表した。出場枠は男女各60人。各国の世界ランク上位2人が入り、さらに同15位以内の選手がいる国は3、4番手も出場枠に入った。IGFのドーソン会長が「全ての国に出場チャンスがある」と話していた通り、60人には男子は36カ国、女子は33カ国からランクインした。

 日本からは、男子は全英オープン選手権で予選を通過し、ともに38位に入った松山と小田孔が入った。女子では、今年に入って世界ランクを大きく落とした宮里藍、宮里美ら米女子ツアー勢は外れた。全米女子オープン選手権で7位と活躍した横峯、昨年の国内賞金女王の森田が、日本の2つの出場枠を占めた。

 112年ぶりに五輪競技に復帰することが影響してか、IGFが発表した国名には小さな“混乱”が見受けられる。2位のマキロイの国名の表記は、五輪では見られない「NIR」(北アイルランド)となっている。北アイルランド出身で英国とアイルランド、両国の代表になる資格を持っていたマキロイは「五輪にはアイルランド代表で出たい」と表明している。アイルランドなら国名は「IRL」だが、これまで国別対抗戦にアイルランド代表で出場してきたマクダウエルの国名も「NIR」となっている。

 2人の代わりの英国代表(GBR)にはローズ(4位)とドナルド(14位)が入ったが、ローズの国名は「ENG」(イングランド)、ドナルドは「GBR」と表記が分かれている。さらに順位の上下が世界ランクと食い違う部分もあるなど、まだ運用が軌道に乗っていない印象もある。

 ランキングは世界ランクによって変動。16年7月11日付のランクをもって、出場選手が確定する。

 ◆五輪のゴルフ競技

 男女各60人が4日間72ホールのストロークプレーで争う。コースは昨年4月にリオデジャネイロ郊外で建設が始まった。組織委員会は今年5月20日に芝の植え付けが始まったと発表している。

 ◆世界ランク

 世界各ツアー、大会ごとにポイント(P)を設定して、選手を順位付けする。優勝Pは4大メジャー大会が100、欧米ツアーが24、日本ツアーが16(日本オープンのみ32)。他に「レーティングP」があり、世界ランク上位者の出場が多いほどPが上がる。有効期限は2年で計算の対象となる試合は、各選手最低40試合、最大52試合。獲得Pを出場試合数で割る平均点方式。