<女子ゴルフ:センチュリー21レディース>◇第1日◇25日◇静岡・伊豆大仁CC(6531ヤード、パー72)

 プロ7年目の西山ゆかり(32=アステオ)が7バーディー、1ボギーの6アンダー66で、首位に1打差2位と好発進した。今大会では日本女子ツアー通算8勝、韓国ツアー賞金女王4回の高又順(50=韓国)がキャディーを務め、パットやコース攻略で助言をもらいながらのラウンド。心強い「相棒」を得て、待望の初優勝を目指す。

 西山にとって最終ホールの9番、1・5メートルのバーディーパットを沈めると、高の笑顔とグータッチが待っていた。66は先週サマンサタバサ・レディース第1日の67を上回る自己ベスト。「高さんの明るいパワーをもらいました」と喜んだ。

 試合がなかった2週前には、男子ツアー通算5勝の芹沢信雄(54)のもとで2日間練習。バックスイングを「手で上げようとせず、体を回して」と指導され、ショットが良くなり、前週の7位につなげた。ただ、勝負どころでパットが決まらず、優勝争いまではならなかった。それが今回は高の「短いパットは膨らますと難しい」「いつも同じテンポで打てばストレスがたまらない」などの助言で、15番からの4連続バーディーなどパットが次々入るのだから鬼に金棒。芹沢と高の“日本ツアー計13勝”のいいとこ取りだ。

 「先輩プロたちに支えてもらってます」。高とは19歳の時に、知人を通してラウンドさせてもらってからの付き合い。11年のツアー本格参戦が決まった時も、神奈川・藤沢市にある実家のすし店「いっぱち竹寿司」にお祝いにきてくれた。それが4月に「1度キャディーを」と話を持ちかけられ、当初は「本当にいいのかな」と遠慮しつつも、今回実現した。

 静岡・朝霧CCの研修生でゴルフを始め、26歳だった08年に3回目の挑戦でプロ合格した「遅咲き」でもある。「初優勝が静岡ならうれしいし、喜んでもらえる」。勝負の機微を知り尽くすキャディーを従え、大輪を咲かせたい。【岡田美奈】

 ◆西山ゆかり(にしやま・ゆかり)1982年(昭57)6月20日、神奈川県生まれ。陸上やハンドボールの経験を持ち、藤沢西高卒業後、「ずぶの素人の状態から」朝霧CCで時任宏治プロに師事。08年プロ合格後、最高位は11年フジサンケイと今年3月Tポイントの5位。下部ツアーのステップアップツアーでは昨季2勝。賞金ランク最高位は11年81位、昨季は107位で、今季は現在52位。得意クラブはドライバーとパター。162センチ、58キロ。