男子ゴルフの石川遼(22=CASIO)が30日、長期の国内合宿を終えて渡米した。途中、全英オープン選手権出場のために渡英したが、2カ月近く米ツアー転戦を中断。北海道や埼玉での合宿生活で根底から改善をはかったショットに手応えを得て8月7日開幕のメジャー最終戦、全米プロ選手権(ケンタッキー州ルイビル)でツアーに復帰する。

 成田空港の出発待合室。石川は「練習量を増やせる体力もついたし、練習量を増やしても体に負担がかからないスイングも身についた。心技体すべて整った形で戦っていけそうです」とうなずいた。6月中旬のトラベラーズ選手権を最後に米国を離れること6週間。異例の長期合宿の成果は、晴れやかな表情を見れば明らかだった。

 合宿では、ジュニア時代に体に比べて長いクラブを振りまわしたころについたクセを、根底から改善するという大規模な“外科手術”に着手。「4番ウッドまでの12本は改善していて、ドライバーだけが課題だった。それもおとといくらいにいい感触をつかんだ」。もともとアイアンは、米ツアーでもショット精度のデータは上位だった。同様のスイング精度を、ドライバーでも体得しつつある。

 復帰初戦はメジャーの全米プロ選手権。「今の自分が、メジャーのセッティングの中でどういうプレーをできるのか。そういう意味で楽しみ」と言う。8月下旬からは、ツアーの成績上位者のみが出場できる、フェデックス杯プレーオフも待つ。合宿の成果を試す機会には事欠かない。

 「スタートダッシュじゃないですけど、来季の開幕も見据えています。練習の成果は3カ月くらい先に本格的に出てくるはず」。9月のANAオープンで一時帰国した後、休みなく再渡米。10月のフライズコム・オープンから米ツアー来季開幕3試合に出場する予定も組んだ。年内はほぼ無休。将来の海外メジャー制覇、さらには五輪での活躍を見据え、休むヒマも惜しんでさらなるレベルアップをはかる。【塩畑大輔】

 ◆石川と全米プロ

 09年に初出場。メジャーで初めて予選を通過し、56位に入った。10、11年は続けて予選落ち。12年は第1日で首位と3打差の3アンダー14位と好発進。予選を通過したが、第2、3日にたたき59位。13年は4日間まずまずのプレーで29位。今年で6年連続の出場。石川は「メジャーの中で一番米ツアーらしいセッティング」と難しさを評している。