<米男子ゴルフ:ウィンダム選手権>◇第2日◇15日◇ノースカロライナ州グリーンズボロ・セッジフィールドCC(パー70)

 石川遼(22=CASIO)が米ツアー自己ベストの62で回り、通算8アンダーの132で首位に2打差の7位に急浮上した。73位から出て9バーディー、1ボギー。第1打でドライバーを握り、積極的に攻めた納得のラウンドで、米ツアー初優勝も視野に入ってきた。

 石川に本来の明るさとすがすがしさが戻ってきた。1番をボギーとし、予選落ちを意識しながらのラウンドも、「最後の方はバーディーが来すぎて、自分がいくつで回っているのか分からなかった」と、いわゆる“ゾーン”に入った。11年ブリヂストン招待第3日の64を上回る62に「今季のベストラウンドだった」と素直に喜んだ。

 パー3を除く14ホール中の13ホールでドライバーを使った。4番では左に曲がった球が木に当たって戻る幸運を生かし、残り156ヤードからピッチングウエッジで4メートルにつけてバーディーとし、流れをつかんだ。9番では右ラフにつかまりながら、本人の感触は「いいきっかけだった」。10番では306ヤードのビッグドライブからバーディー。後半イン29の爆発につなげた。緊張の18番では「先週までの自分なら刻んでいた」というところで、しっかりと振り切れた。

 今季前半はスコアメーク優先で、小技に頼るゴルフだった。これを反省し、7月に試合を休んで北海道で合宿。ショットに磨きをかけたのが、ここで生きてきた。「これだけOBのあるコース、4日間で1つや2つのOBは仕方ない。それをカバーするバーディー、イーグルを取る気持ちでやる」と潔い。

 残り36ホール。「同じゴルフができれば、優勝できるかもしれない」と話す。「失敗したら、その時に考える。迷いがないゴルフがしたい」。飛ばして攻める、かつて日本中を魅了した石川のスタイルが米ツアーでよみがえった。

 ◆石川のベストスコア

 米ツアーでは11年ブリヂストン招待第3日に64(パー70)を出し、首位スコットに1打差2位。最終日最終組を回るも、2番パー5で2オンしながら2メートルのイーグルパットを決められないなど69で、スコットに逃げ切り勝ちを許し、4位に終わった。日本ツアーでは10年の中日クラウンズ最終日に12バーディー、ノーボギーの58(パー70)でツアー最少スコアを記録し、6打差をひっくり返して大逆転勝ちした。