<女子ゴルフ:ニトリ・レディース>◇第1日◇29日◇北海道・恵庭CC(6522ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝賞金1260万円)

 アマチュアの新垣(あらかき)比菜(15=沖縄・興南高1年)が、4バーディー、2ボギーの2アンダー70で、首位に3打差の3位と好発進した。同じ沖縄出身の宮里藍(29)に憧れてゴルフを始め、同世代の勝みなみ(16=鹿児島高1年)らと切磋琢磨(せっさたくま)して成長。2人に続くアマでのツアー優勝を目標にしている1人だ。

 沖縄娘が北の大地で躍動した。イン10番スタートの新垣は2ホール目の11番で20メートルのロングパットを入れてバーディー先行。14番では3メートルのスライスラインを読み切り、リーダーボードの上位に名を連ねた。2ボギーを悔やみ、自己採点は「80点」としたが、昨年の日本女子プロ選手権の会場となった戦略性の高い本コースで、70は立派だ。

 コーチでもある父博昭さん(52)がキャディーを務め、最終9番で第1打を右に曲げると、父から叱咤(しった)の声が飛ぶ。「怒られました。でも試合では無視します。普段ならケンカになります」と、しんの強さをのぞかせた。日頃も午後4時に学校が終わると、那覇から車で1時間半かけて博昭さんがコーチをしている名護市内のエナジックゴルフアカデミーへ。夕食は車中でお弁当を食べ、6時から9時、時には11時まで練習する。父娘二人三脚で、腕を磨いてきた。

 日焼けした顔にパッチリした瞳で宮里藍似だ。「たま~に言われます。うれしいですね」とはにかむ姿も初々しい。これがツアー出場7戦目で、過去最高位は今年3月ダイキンオーキッドの21位。今回は「10位以内が目標」と言うが、いつかは03年ミヤギテレビ杯の宮里や今年4月KKT杯バンテリン・レディースの勝のように、アマでのツアー優勝を目指している。

 小学生の頃から勝とは九州地区のジュニア大会で何度も戦ってきた。先週の日本ジュニアは出場権が得られず悔しい思いもしたが、勝の優勝が仲間として「うれしかった」と心から喜んだ。博昭さんは「この学年はみんな強いですよ。勝さんや松原(由美)さんがリードして、みんながそれについていってる」。今季の女子ツアーは序盤から「女子アマ旋風」が吹き荒れた。夏の終わりに新垣が、それに加わろうとしている。【岡田美奈】

 ◆新垣比菜(あらかき・ひな)1998年(平10)12月20日、沖縄県うるま市生まれ。父博昭さんの手ほどきで8歳からゴルフを始める。12年沖縄女子、13年九州中学選手権春季、九州女子アマなど優勝。昨年、日本ジュニア12~14歳の部3位。今季ツアー出場はダイキンオーキッド21位、ヨネックス・レディース33位、サントリー・レディース予選落ち。ドライバー飛距離は約240ヤード、得意クラブは8番アイアン。ベストスコア66。163センチ、54キロ。