<男子ゴルフ・フジサンケイクラシック>◇第3日◇6日◇山梨・富士桜CC(7437ヤード、パー71)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 4位スタートの池田勇太(28=日清食品)が4バーディー、2ボギーの69をマークし、通算7アンダー206で今季初の単独トップに立った。11番、17番で“プロのスゴ技”でバーディーを奪うなど、魅せるゴルフを続ける。最終日も自分のゴルフに徹し、昨年11月のマイナビABC選手権以来のツアー12勝目を狙う。

 池田が苦しさを振り払うバーディーを奪った。11番パー4の第3打だ。フェアウエーながらピンまで63ヤード残った。「またボギーかよう」。あきらめの気持ちもあったが、サンドウエッジを持つと6歳からゴルフを始めた体が反応した。

 しなやかに打ち出したピッチショット。ピン手前1・5メートルにバウンドしてカップに直接、飛び込んだ。10番でボギーを打ち、この日イーブンに戻った矢先のラッキーパンチ。「あれで流れがきた」。パーを重ねて迎えた17番パー5では、左ガードバンカーからの第3打がパターで打ったかのようにフックラインを描いて入りかけた。OKバーディーで通算7アンダー、今季初のそれも単独トップに躍り出た。

 第2日はパー4で1オン、パー5で2オンしたりの「大技の勇太」。この日は一転して「小技の勇太」だった。選手会長自らが「プロのスゴ技」を十二分に魅せ、最終日を迎える。

 今季の前半は右足首痛などで予選落ちを3回するなど低迷。後半戦に入り、体調もよくなり「勝つつもり」だった先週は7位。今大会前には母ゆみさん(49)らに「勝ちにいく」と宣言していた。この日の朝、千葉から応援に駆けつけたゆみさんは息子の過去11勝中、10勝をコースで見守ってきた。今回も「勇太には雰囲気がある」と勝利を確信する。

 「自分のゴルフをして、4日間60台を続けたい。2ケタアンダーにすれば…」。「68」を出せば、通算10アンダー。カッコいい逃げ切り優勝になるかもしれない。【町野直人】

 ◆池田の首位

 今季初。昨年10月「HEIWA・PGM

 CHAMPIONSHIP

 in霞ケ浦」第1日以来。第3日が首位で、逃げ切り優勝(トップタイ)は過去11勝中6回ある。また、最終日最終組でのプレーは過去16回あり、そのうち優勝したのは8回。