<米男子ゴルフ:プレーオフ第3戦BMW選手権>◇最終日◇7日◇コロラド州チェリーヒルズCC(7352ヤード、パー70)◇賞金総額800万ドル(約8億4000万円)優勝賞金144万ドル(約1億5120万円)

 松山英樹(22=LEXUS)が、11日に米ジョージア州イーストレークGCで開幕するプレーオフ最終戦、ツアー選手権への出場権を勝ち取った。ボギー先行で、次戦に進出できる年間ポイントランク30位以内から漏れるピンチに立った。しかし上がり2ホール連続バーディーで、通算4アンダー276の20位に再浮上。同ランク28位として、最終戦への切符を得た。すでに獲得していた来季のマスターズのほか、全米オープン選手権、全英オープン選手権の海外メジャー大会の出場権も手に入れた。

 土壇場に強い男の真骨頂だ。17番パー5。松山は残り228ヤードのフェアウエーバンカーから、4番アイアンで池越えの2オンを狙う勝負に出た。「残り2ホールどちらかでバーディーを取らないと」。進藤キャディーに「ダメなら、1年間お疲れさまだね」と冗談めかし、腹をくくった。

 会心の手応えではなかった。それでもボールは、池をわずか2ヤード越えた場所に落ち、ピン左4メートルまで転がった。イーグルパットは決まらなかったが、スコアは伸ばした。この時点でポイントランク30位以内は濃厚に。続く18番パー4でも、残り164ヤードの第2打を9番アイアンでピンに直撃させるスーパーショット。連続バーディーで、最終戦進出に花を添えた。

 14番パー4でボギー。15番パー3では、26位だったクレーンがバーディーを挙げ、27位に落ちた。この瞬間、想定ポイントランクは31位に転落した。

 「ダメなら仕方ないと割り切ってたけど、実際に追い込まれたら、落ちるのは絶対イヤだと思った」。16番パー4では左の林から、枝の下を抜き、フックをかける難ショットに成功。2オンでパーセーブし、連続バーディーにつなげた。

 最終戦は、数字上は出場29選手(30位D・ジョンソンは欠場)全員に、年間ポイントランク1位、つまり賞金1000万ドル(約10億5000万円)の可能性が残されている。松山は優勝が最低条件だが「それよりも来季につながる内容でプレーしたい。勝ってもそうじゃないと意味がない」。結果も見据えつつ、来季の飛躍へ足掛かりを得るつもりだ。【塩畑大輔】

 ◆プレーオフ

 レギュラーシーズンの通算ポイント上位125選手が第1戦(バークレイズ)に進出。上位100選手が第2戦(ドイツ銀行選手権)に進む。同様に上位70選手が第3戦(BMW選手権)、同30選手が最終戦(ツアー選手権)と、選手が絞られる。最終戦終了時点で1位の選手には1000万ドル(約10億5000万円)が贈られる。最終戦に出場できた選手は、来季のマスターズ、全米オープン、全英オープンの出場権を得られる。

 ◆10億円獲得の条件

 ツアーの発表によると、松山が現在のポイントランク28位から、最終戦の結果で一気に首位に立ち、10億円を獲得するには、以下の条件をすべて満たす必要がある。<1>松山が優勝する。<2>現在ポイントランク1位のカークが25位以下。<3>同ランク2位のホーシェルが6位タイ以下。<4>同ランク3位のB・ワトソンが4位タイ以下。<5>同ランク4位のマキロイが3位タイ以下。<6>同ランク5位のメイハンが3人並んだ2位タイ以下。<7>同ランク6位のウォーカーが2位タイ以下。