<男子ゴルフ:ANAオープン>◇第3日◇20日◇北海道・札幌GC輪厚(7063ヤード、パー72)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 藤田寛之(45=葛城GC)が、2打差7位に急浮上した。8打差30位から出て、自身初の6連続バーディーを含む10バーディー、1ボギーの63と猛チャージで、通算11アンダー205に。最終日の逆転勝利でシーズン3勝目を挙げた一昨年大会の再現を目指す。

 入り出したら止まらない?

 藤田が2番から強烈な6連続バーディーだ。まずは6メートルのパットを沈め、3番パー3ではピン奥1メートルにピタリ。4番は手前エッジから8メートルをパターでねじ込み、5番パー5は2オン2パット、6番では2・5メートルをきっちり入れた。グリーン奥に外した7番は「何とかパーを取りたい」と、強めに打ったアプローチが見事にチップインだ。

 8番のバーディーパットは惜しくもカップ左端で止まったが、9番パー5でも第3打を1メートルに寄せてバーディーを奪った。「ゴルフが楽しいですよね。プレッシャーもなかったし」。イン10番スタートで、17番で6メートルのパットが決まったのが転機だったという。

 前日まではパットもいまひとつ。フォローでフェースが閉じていることに気づき、そこに意識がいきすぎたのが災いした。そこでストロークよりも出玉をそろえるため、ティー2本を立ててその間に球を打ち出す従来の練習法に戻したところ復調したという。

 2年前も第3日に65のチャージで2打差に迫って、最終日に68で逆転勝ち。賞金ランク1位に浮上し、そのまま賞金王に輝いた。粘る洋芝、フェアウエーが狭く、大きな木の枝が空中にハザードをつくる戦略性の高いコースは、円熟の技術を持つ藤田向き。「あまり期待せず、でもチャンスのある位置だと思うので」と淡々と語る表情に貫禄がにじむ。今季2勝、賞金ランク3位で、勝てば2年ぶりの賞金王も見えてくる。【岡田美奈】