<米男子ゴルフ:フライズコム・オープン>◇第2日◇10日◇米カリフォルニア州シルベラードリゾート北C(7203ヤード、パー72)

 松山英樹(22=LEXUS)が5バーディー、ノーボギーの67と伸ばし、首位と3打差の通算7アンダー137、7位に浮上した。スイングのイメージを変えたことで、課題の1つだったティーショットの精度が大幅に改善。パー4以上の14ホール中12ホールでフェアウエーをキープし、残り2ホールもセミラフとほぼ完璧な内容だった。

 安定したティーショットで、終始フェアウエー上の好位置を確保した。終盤の16番パー5。松山はドライバーで310ヤードを稼ぎ、フェアウエー右サイドをキープした。そして残り272ヤード地点から、2オンに成功。12メートルのイーグルパットは惜しくも決まらなかったが、楽々とこの日5つ目のバーディーをゲット。首位と3打差という上々の位置で、決勝ラウンドに進んだ。

 「ティーショットが安定している分、ピンチらしいピンチもなかった」と松山。この日はフェアウエー12回、セミラフ2回と、ほぼ完璧な精度を見せた。昨季は6月に米ツアー初勝利。「次はメジャー」とハードルを上げて、ドライバーの飛距離、精度を上げるべく、常にスイング修正に頭を悩ませていた。試合中も微調整を重ねるため、プレーオフ第3戦のBMW選手権からは、かえって右方向に曲げるミスが頻発した。

 休養を優先した今季開幕までの3週間のオフ中も、構え方を微妙に変えて打つことを試すなど、修正を続けていた。「構えを変えたら、どうしても振るイメージが変わる。それをどうしようかなと」。そこでついに修正の糸口をつかんだ。

 「ここ2、3日、イメージを変えてみたら良い感じで振れている」。横振りのイメージから、縦振りのイメージに変えたことで、スムーズに振れるようになった。「変えたというより、米国で1年ちょっとやって、崩れていた部分がちょっとずつ戻ってきているのかなと思う。自分が良いと思ってやっていたことが、実は良くなかったのかなとか」とうなずいた。

 誰よりもストイックに理想のスイングを求めるだけに、迷宮に入ってしまうこともある。「これからまた同じような機会になったとき、この経験がプラスになっていけば良いと思う」。迷いを振り切るきっかけを自力でつかみ、松山がまた一回り大きくなった。