<男子ゴルフ:日本オープン選手権>◇第2日◇17日◇千葉・千葉CC梅郷C(7081ヤード、パー70)◇賞金総額2億円(優勝賞金4000万円)

 池田勇太(28=日清食品)が4バーディー、2ボギーの68で回り、通算8アンダー132で首位と1打差の2位につけた。ショットの精度、パットのタッチともに安定。午後の強風の中でも危なげなくスコアをまとめた。地元千葉のファンの後押しも受けて、09年日本プロ選手権以来2冠目となる日本タイトル奪取を狙う。

 バーディーの予感に、打つ前から「どや顔」が隠しきれなかった。13番パー3。池田は7番アイアンでピン手前4メートルのチャンスにつけた。得意のスライスライン。明確なカップインのイメージが浮かび、構えに入る前から、思わずほくそ笑んだ。予感の通り、バーディーパットはど真ん中からカップに転がり込んだ。

 「中盤のチャンスで全然入らなかったから、何ホールぶりだよって、思わず数えちゃったよ。ま、全部入ればいいスコアだけど、いいパーパットも入ってたしね」。15番パー4では右ラフから残り168ヤードの第2打を、グリーン右の傾斜を使って転がし、ピン奥20センチにピタリ。スタンドのファンをドッと沸かせた。

 今週から採用したパットとの相性は抜群。ストロークの修正にも成功し、今季開幕からのパット不振から完全に脱した。17日はさらに、ショット時の体のキレも抜群だった。ゆったりと大きな体の捻転から、鋭いスイングを繰り出し、300ヤード前後のドライバーショットを連発。スピンの利いたアイアンもしっかりピンに絡んだ。

 体調の良さの裏には「我慢」があった。前日の第1日、早朝スタートの池田は、正午すぎにはホールアウトした。しかも第2日は午後スタート。しかも、第1日は64と会心のゴルフをした直後。銀座のクラブの関係者からは、何十件もの営業の電話、メールが殺到した。

 しかし池田は、断腸の思いでこれらをスルー。野田市内の宿舎近くで夕食をとると、早々に就寝した。「我慢してんだよ。オレだってさ」。1000人単位の大ギャラリーの声援に、何とか応えたい。地元千葉を歓喜の渦に巻き込むべく、勇太が本気でメジャータイトルを奪いにいく。【塩畑大輔】