<女子ゴルフ:富士通レディース>◇第2日◇18日◇千葉・セブンハンドレッドC(6635ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 横峯さくら(28=エプソン)が、首位に2打差の3位に急浮上した。6打差9位から出て、7バーディー、ノーボギーの65で回り、通算9アンダーの135。故障もあって今季は未勝利だが、夫でメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(33)の助言を支えに、トンネルを抜けようとしている。勝てば昨年11月伊藤園レディース以来の通算23勝目で、史上2人目の生涯獲得賞金10億円突破となる。

 横峯がやっと優勝争いに絡んできた。1番で4メートル、3番で5メートルなどパットがさえた。距離感が合わなかった前日のラウンド後、キャディーから素振りが早くなっていることを指摘されて修正。「久しぶりの感触です」と手応えを口にした。65の猛追で、7月の日医工レディース以来の最終日最終組に滑り込んだ。

 4月に結婚し、13日には夫の両親を自宅に招いてカレー鍋を振る舞うなど、主婦業もこなしている。一方で夏に右肩を痛めて、痛み止めを飲みながらのプレーで、賞金ランク28位に甘んじている。試合に向けてのテーマも「ボギーを打たないこと」と控えめだった。

 そんな中、森川氏が「結婚して早く勝ちたいと、集中しすぎて視野が狭くなっているのかも」と気づき、今大会は周りの景色を見るなど視野を広くするよう助言。普段は必ず目標順位を設定するが、その習慣も取りやめた。その効果か、表情も豊かになり、この日の快進撃につながった。「2人で温泉旅行に行きたいね、と話しています」(横峯)と、新婚らしい言葉も滑らかに出た。

 勝てば“ミセス初V”はもちろん、不動裕理に次ぐ10億円突破も達成だ。「実感ない。ここに(10億円が)あったら分かるけど」と明るく笑い飛ばしていた。【岡田美奈】