<女子ゴルフ:マスターズGCレディース>◇最終日◇26日◇兵庫・マスターズGC(6445ヤード、パー72)◇賞金総額1億4000万円(優勝2520万円)

 元賞金女王の大山志保(37=大和ハウス工業)が今季2勝目、ツアー通算15勝目を飾った。バックナインで4つスコアを伸ばし、通算19アンダー。3週連続優勝を狙ったアン・ソンジュ(27)を2打差で振り切った。生涯獲得賞金は7億円を突破。自身7年ぶりの年間2勝は、35歳以上の選手としては9年ぶり。16年リオデジャネイロ五輪出場を夢見る37歳、独身が衰えないパワーを見せつけた。

 賞金ランク1位で3週連続Vを狙うアンが1組前で迫る。66を出した。しかし、大山は燃えた。「私が伸ばせば、負けない」。勝負のバックナインで15番までに4バーディー。16、17番ではアプローチからナイスパーをセーブ。こん身のガッツポーズを連発し、最強の敵を振り切った。

 9月のゴルフ5レディースに続く自身7年ぶりの年間2勝は、35歳以上の選手では05年の藤井かすみ以来となった。しかもともに完全優勝。若年化の波が襲うツアーでは快挙だ。大山は強さの秘訣(ひけつ)を聞かれて「向上心!

 目標を立てて突き進むこと!」と言い放った。

 毎年大みそかに誓いを立てる。今年は「3月の宮崎開催・アクサレディース、日本女子オープン、リコーカップの優勝」を誓っていたが、2つは達成できずに来た。特にアクサレディースはまさかの予選落ち。「本当に悔しくて…。それを忘れないために」と、今も開催コースUMKCCのボールマークを使う。

 さらに大きな目標もある。39歳で迎える16年リオデジャネイロ五輪出場だ。フィギュアスケートを見るのが好きで、荒川静香の06年トリノ五輪金メダルにしびれた。「荒川さんと言えば、イナバウアー。私は何だろう?」と考えたこともあるが、大山と言えば闘志あふれるガッツポーズだ。来年2月には兄秀樹さん(40)に第1子が誕生予定。もうすぐ叔母になる37歳、独身だが、まだまだ勝利のガッツポーズは止まらない。【加藤裕一】

 ◆大山志保(おおやま・しほ)1977年(昭52)5月25日、宮崎市生まれ。ゴルフは10歳から。元LPGA会長の清元登子門下生として熊本中央女子高2年で日本女子アマ優勝。日大4年で日本学生優勝。00年プロテスト合格、06年賞金女王。168センチ、62キロ。<大山志保の記録>

 ◆35歳以上の年間2勝

 05年の藤井かすみ以来9年ぶり。ツアーの若年化が進んだ00年以降7人目。他に安井純子(00年に3勝=39歳1勝、40歳2勝)具玉姫(00年に44歳3勝、02年に46歳2勝)中野晶(00年に2勝=37歳1勝、38歳1勝)島袋美幸(01年に42歳2勝)中島千尋(02年に39歳2勝)藤井(04年に36歳2勝、05年に37歳3勝)。

 ◆生涯賞金7億円超

 7億2068万3491円となり、史上9人目。

 ◆完全優勝

 第1日から首位を守り抜いたのは通算15勝中、06年クリスタルガイザーレディース(L)ヨネックスL、07年明治チョコレートカップ、14年ゴルフ5Lに続き5度目。