<女子ゴルフ:樋口久子・森永レディース>◇第1日◇10月31日◇千葉・森永高滝CC(6652ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝賞金1260万円)

 永久シード保持者を除くツアーメンバーで、賞金ランク上位50人が獲得できる来季のシード権争いが佳境に入ってきた。先週終了時点で同53位、27日のマンデー予選(主催者推薦選考会)を経て出場の井芹美保子(29=フリー)が7バーディー、3ボギーの68をマークし、首位と2打差の2位と好発進した。大半の選手はこの試合を含めて、今季は残り3戦。数少ないチャンスを生かし、賞金を積み上げる。

 チャンスは必ず生かす。井芹はスタートの10番パー4で、10メートルを沈めてバーディー発進。後半は3番からの4連続バーディーで、一時は6アンダーで首位の李知姫に並んだ。終盤ボギーが重なったが「焦らずいこうと意識して、1ホール1ホール集中してプレーできた」とうなずいた。

 シード権を持たないため、この試合もマンデー予選に出場。当落線上の12位で何とか本戦の出場権を得た。「マンデーは1日、本戦は3日間大会で、プレーの進め方も違うので、切り替える必要がある。でも慣れているので」。自力でつかんだ好機を生かすべく、本戦でもしっかり好スタートを切った。

 他の選手がオフに充てる月曜日、そして本戦開幕の木曜日と、週に2回ピークをつくるため、疲労は蓄積する。先週のマスターズGCレディースは現地で繰り上げ出場を待ったが、順番は回ってこなかった。賞金を稼がなければならないのに、現地でライバルたちのスタートを見守るはめになる。これが重なれば、精神的な疲れもたまる。

 それでも井芹は「毎年のことですから」と笑ってみせる。54位でシードを失った昨年も含め、賞金ランク50位台であと1歩シードに届かぬこと3回。悔しさをバネに、3回目のシード保持を狙う。【塩畑大輔】

 ◆井芹美保子(いせり・みほこ)1985年(昭60)5月28日、熊本県生まれ。11歳からゴルフを始め、01年に史上3番目の若さとなる16歳1カ月で日本女子アマ優勝。最終予選会をへてツアーに参戦した07年に賞金ランク42位で初めてシード権獲得。12年にトップ5が5回の活躍で賞金ランク19位。155センチ、55キロ。血液型B。