<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇第2日◇14日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 世界ランク3位のバッバ・ワトソン(36=米国)が、ミラクルショットで日本のファンを歓喜させた。10番パー4で340ヤードのビッグドライブから、残り50ヤードの第2打を直接カップインさせてイーグル。1イーグル、3バーディー、3ボギーの70で回り、通算7アンダー137の2位で大会前半を終えた。

 冬晴れの富士山を望む御殿場の高原に、大きなどよめきと歓呼の声が響き渡った。10番パー4。B・ワトソンはヘッドからシャフトまでピンク一色のドライバーを強振。340ヤードを稼いで、ファンを驚かせた。

 左ラフから残りわずか50ヤード。ロフト60度のウエッジで、グリーン手前のカラーに落とすと、ボールはピンに向かって転がりだした。カップが近づくにつれ、ざわめきが大きくなる。10ヤードを転がり、そのままカップインすると、一気に歓声が爆発した。

 「ラッキーだっただけです」とB・ワトソンは事もなげに話した。5番までに3バーディーを挙げ、独走態勢を築きかけたが、直前の7、8番で連続ボギー。先週の世界ゴルフ選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズ(上海)に続く「アジア2連勝」への道のりに、暗雲が垂れ込めた。

 しかし代名詞のビッグドライブと、得意のアプローチで、悪い流れを一気に吹き飛ばした。HSBCチャンピオンズでも、最終日最終18番パー5で、バンカーからの第3打を直接入れてイーグルを挙げ、プレーオフに進出して勝った。そのミラクルショットをほうふつとさせる一幕だった。

 音楽が好きで、ファウラーらとユニットを組み、ラップの曲を発表してきた。来日後、会場で久々に再会した関係者には「せっかく日本に来たから、カラオケに行きたい」と明かしていた。開幕前日に念願のカラオケボックス行きが実現。マイケル・ジャクソンの曲を熱唱したという。ムーンウオークもしながらかと聞かれると「もちろん!」と即答し、笑わせた。【塩畑大輔】