<女子ゴルフ:大王製紙エリエール・レディース>◇第2日◇21日◇香川・エリエールGC(6428ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 賞金ランク55位の工藤遥加(22=ナック)が5連続バーディーで、初の賞金シード奪取に夢をつないだ。10番終了時には予選落ち濃厚な通算イーブンパーだったが、11番からの猛反撃で68。通算5アンダーで首位に6打差18位とした。シード圏突入の最低条件は「単独16位」だが、ソフトバンク工藤公康監督(51)の長女はより安全な10位以内をにらむ。北田瑠衣(32)が通算11アンダーの首位。

 猛反撃は、絶体絶命のピンチから始まった。通算1アンダーで迎えたハーフターン。全体の順位をチェックした直後、工藤が10番でボギーをたたいた。「1アンダーで予選カットがあるなと思った途端、もう一気に“チ~ン!”て感じでした」

 ところが、11番パー5で第3打をピン30センチに寄せ、バーディーを奪うと、12番は10メートルのロングパットをズコン。13番パー3は第1打を1・5メートルにピタリ。14、15番は6メートル、4メートルを沈めた。

 「3連続の時は『あ~、3つだな』って感じだったんですが、4個目が来て、同組の人に『すごいね』と言われて『そ、そうですね…』って」。本人もビックリの5連続バーディーで、18位まで順位を押し上げた。

 父公康氏譲りの勝負根性か?

 逆転初シードを狙う大会前日の19日夜。トリッキーなコース攻略法を熟考して「何か知恵熱が出た感じでした」と笑う。そこに家族のLINEでメッセージが入った。「気持ちだ、気持ち!」。俳優の兄阿須加(23)からだ。来年1月公開の映画「アゲイン

 28年目の甲子園」の宣伝などで全国を飛び回る合間を縫っての激励に力をもらった。

 残り2日。シード圏入りに最低必要な順位は単独16位だが、それでは安全と言えない。「1日60台を目指していきたい」。できる範囲で、力の限り。工藤家の長女が燃えている。【加藤裕一】

 ◆工藤遥加(くどう・はるか)1992年(平4)11月18日、東京生まれ。ゴルフは父公康氏の影響で小4から。東京・日出高卒。10年日刊アマ全国大会優勝。11年プロテスト合格。ツアー最高位は今年6月サントリーレディース5位。家族は両親、兄、弟、妹2人。171センチ、65キロ。

 ◆賞金シード

 賞金ランク上位50人が獲得できる。現在は出場義務試合数に満たないフォン・シャンシャンが同46位、永久シード保持者の不動裕理が51位にいるため、52位の山城奈々までが圏内。ただし、予選落ちした山城は、53位イ・ジウが予選通過したためシード漏れが決定的。イ・ジウより賞金ランク下位の選手は事実上、目安順位以上の成績が必要になる。