<米男子ゴルフ:フェニックス・オープン>◇第2日◇1月30日◇アリゾナ州TPCスコッツデール(7261ヤード、パー71)◇賞金総額630万ドル(約7億5600万円)優勝113万4000ドル(約1億3600万円)

 29位から出た松山英樹(22=LEXUS)が、71で回って通算2アンダー140で暫定27位となった。前半インは40と乱れるも、後半アウトで4バーディーを奪って31と盛り返した。マーティン・レアド(英国)が10アンダーで暫定首位。日没のため15人が競技を終えられなかった。

 松山のたくましさ、底力が出た。9ホールを終えて通算2オーバーと予選通過が危うい位置から、一気に巻き返した。折り返しての1番では、グリーン手前カラーからの6メートルをパターでねじ込んだ。「あのバーディーは大きかった」。これで波に乗ったように、2番で9メートル、3番で8メートルのロングパットを続けて決めて、3連続バーディーだ。

 6番パー4では第2打をピンそば60センチにピタリ。「ナイスカムバック!」の歓声の中、71でプレーを終えると、安堵(あんど)の笑みで白い歯がこぼれ、うれしそうだった。

 出だしは最悪だった。スタートの10番で1メートル強のパーパットがカップに蹴られた。11番では「狙ったところよりほんの少し左。フェアウエーだと思って行ったら」(松山)まさかの池ポチャで、ダブルボギーを喫した。14番では第1打が右に出てOBとなった。

 ここで粘った。フェアウエーに運んだ暫定球をピン奥5メートルにつけ、これを入れてナイスボギーだ。本人も「あれで気持ちを切らさずにできたのかな、と思います」と振り返る。この日、4オーバーとなったが「OB以外はそんなに悪いショットじゃなかったし、かみ合わなかった結果の4オーバー」と、悲観もしてなかったという。前日はアウト32イン37で「アウトの方がチャンスがあるのかなと」前向きだった。

 暫定首位とは8打差だが「ミスをなくしたら、少しでも差が縮まってくると思うので」と言う。スコアを落としても動じず、正念場でパットを決めるのが、松山の底力でもある。昨年は4位になった大会で「最終日にいい位置、優勝争いができる位置で(第3日を)終われたらいいと思います」。出場するからには常に優勝を狙う、その気持ちが揺らぐことはない。

 ◆松山の「ナイスカムバック」からの優勝

 13年のダイヤモンド杯(茨城・大洗GC)は、10番スタートの第1日は16番から3連続ボギーなどでイン38、折り返して4番から3連続バーディーでアウト33で1アンダー71の27位発進。翌日は69で6位、第3日に68で首位に立ち、最終日71で日本ツアー3勝目とした。