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青木65歳エージシュートV/シニアゴルフ

表彰式で優勝トロフィーを掲げる青木功
表彰式で優勝トロフィーを掲げる青木功

<シニアゴルフ:日本シニアオープン>◇最終日◇28日◇熊本・くまもと中央CC(6965ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1600万円)

 青木功(65=フリー)が、「エージシュート」となる65の猛チャージで、大逆転優勝だ。首位に6打差の5位からスタートし、8バーディー、1ボギーで通算12アンダー276とし、10年ぶり5回目の「シニアゴルファー日本一」となった。日米シニアツアー通じて5年ぶりの勝ち星となり、世界最年長優勝記録(63歳)も大幅に更新した。「世界のアオキ」はまだまだ元気、ミラクル力も衰えていない。

 強い青木が帰ってきた。18番、6メートルのバーディーパットは緩いフックライン。見事に読み切って沈めた。エージシュートでの優勝は、日本シニアツアー史上初の快挙だ。笑顔の口元から舌がのぞく。「ゴルフの神様が18番のパットを入れてくれたのかもしれない。65歳でエージシュートができて勝つなんて、こんな男冥利(みょうり)に尽きることはないね」。

 神懸かり的な快進撃だった。3番で8メートルのロングパットを決めた。7番で第1打をダフってボギーとした以外は、ショットもパットもさえた。「プレッシャーはなかったな。室田がどうせ行くだろうと思っていたら、伸びてなかった。『なら、行くか』とね」。相手のすきを逃さず突くのが青木らしい。

 実は、練習日に「予告」していた。一緒に回った海老原に「今週の自分は65くらい出るかも。64はいらない。65歳だから65が欲しい」と話したという。この日の優勝インタビューでは「最終日に65はなかなか出ないでしょう」と振られ、「出たでしょう!」と突っ込み返して笑いを誘った。

 誰にもまねできない、自分のゴルフを貫いている。180センチの細身の上体を折り曲げ、独特のフォームで放つパンチ気味のショットが、次々にグリーンをとらえた。パターのヘッドでコツンと打つ感性のパット。「100ヤード以内は世界一」といわれた技術は衰えていない。

 主戦場の米シニアツアーでは、今季賞金ランクも96位と苦しんだ。それでも、生来の負けず嫌いと向上心は健在。節制とトレーニングの積み重ねが、この日の大舞台で報われた。「勝ってもうぬぼれないこと。それができれば70になっても、75になってもエージシュートは出せるし、勝つこともできると思う」。15歳の新星・石川遼がレギュラーツアーに出現した年に、日本のゴルフを支え続けた巨星が、輝きを増してよみがえった。

[2007年10月29日8時37分 紙面から]

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