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桃子アルバトロスで逆転V/女子ゴルフ

優勝した上田桃子は優勝カップにキスをする(撮影・奥田泰也)
優勝した上田桃子は優勝カップにキスをする(撮影・奥田泰也)

<女子ゴルフ:ミズノクラシック>◇最終日◇4日◇三重・近鉄賢島CC(6506ヤード、パー72)◇賞金総額140万ドル(約1億6100万円)優勝21万ドル(約2415万円)

 上田桃子(21=加賀電子)が「奇跡のアルバトロス」で、日本人史上10人目の米ツアー制覇を果たした。7番パー5(485ヤード)で残り235ヤードの第2打がカップイン。2日連続のベストスコア66で通算13アンダー203とし、日米ツアー共催競技で今季4勝目を飾った。賞金ランク2位横峯さくら(21)に約3200万円差をつけ日本ツアー最年少賞金女王へ大前進。米ツアーシード権も獲得した。歴史的な優勝で、世界進出へ態勢は整った。

 上田は「奇跡の1打」で米ツアー勝利を引き寄せた。首位タイで迎えた7番パー5、残り235ヤードの第2打。3番ウッドで打った球は花道へ落ち、グリーン手前で跳ね、フックラインを描いてカップへと吸い込まれた。「えっ? もしかして入ったの? 本当に?」。グリーン面は見えなかったが、興奮する観衆の反応で快挙を確信した。米女子ツアー日本人初のアルバトロスで、貴重な2打のリードを奪った。

 「本当にうれしい。最近、泣いてばかりだったので。我慢していると、こんなにいいことがあるのかなって」。でも、記念球はすぐに観客へ投げ入れた。「すぐ8番ホールへ気持ちを切り替えた」。普段はロングパットを決めただけで鼓動は早くなるが、この日は心が揺れ動くことなく18ホールを回り切った。全英女子2位のヨースに15番で並ばれても、直後16番で4メートルのバーディーパットを決めて突き放した。

 試練を乗り越え、たくましくなった。勝ち気な言動が周囲の反感を買い、ブログが2度も炎上した。8月以降は2位4回と惜敗も続き、何度も号泣した。つらいときは熊本弁で「なるごつなる。よかごつなる(なるようになる。いいようになる)」と自分に言い聞かせた。父功一さんに幼いころから毎日のように言われた言葉で、はい上がってきた。熊本の実家の部屋には「根性」と書いた半紙が張ってある。

 初日終了後に岡本綾子から「人のことは気にするな」と諭され、甘えも消えた。これまで優勝争いで相手がチャンスを迎えると「外れろ~」と心の中で叫んでいた。この日は逆に「常に相手は入れてくる」と覚悟し、「自分は入れるだけ」と集中を続けた。

 「私って単純なんです。負けると悔しいから泣く。今日はうれしいから」と笑った。念願の米ツアーシード権を獲得。開幕前に「勝って米国に行きたい」と公言して臨んだ今大会だった。この日は「英語とか準備することが多いけど」と慎重だったが、自身のブログのタイトル「待ってろ世界!」はもう目標ではない。日本人の米ツアー制覇は史上10人目、99年フィリップス招待で勝った福嶋の25歳11カ月を超えて最年少になる。本格参戦2年目の宮里より先に達成し、賞金女王に向けては2位横峯との差を一気に広げた。アルバトロス達成試合での優勝は米ツアーでも史上3人目の快挙。歴史的勝利で、上田が「伝説の女」になった。【木村有三】

[2007年11月5日8時48分 紙面から]

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