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新弥のDAYS'

2007年11月5日更新

82キロ世界最長遠泳

<松崎裕子さんの幻覚レポート?が到着>

 睡魔との戦いの中で、愉快な幻覚症状が現れたそうだ。

 そこまで自分を追い込み、追い込み続けることができるのは、まさに「超人」である。

 マラソンスイミングのプロ、松崎裕子さん(東京・三鷹市出身、フロリダ州オーランド在住)が先月、湖での(ウエットスーツなし)世界最長遠泳に挑戦し、見事82キロを泳いで新記録を達成した。

 映像がないために日本のテレビ・マスコミはこういう快挙に対して「知らぬ存ぜぬ」のシカト一辺倒だが、すでに日刊スポーツ本紙では速報済み。  本欄では松崎さんにその時のレポートを依頼していたが、このほど(手違いで少し遅れたが)それが届いたので、紹介させて頂く。

 以下全文

 *******************

 みなさん、お元気ですか?

 先月の話になりますが、10月12日の夜6時からオーランドの水泳仲間、Mr.ラッキーさんの敷地内の湖で泳ぎました。泳ぎ終わったのは14日午前0時。泳いだ距離は82キロ。実は今までの湖の最長世界記録が80キロなので、私の記録は世界新記録のようです。

 耐久的な水泳には色々なカテゴリー(海・川・ウエットスーツありなし・バタフライ…)があるのですが、私のは水着(ウエットスーツなし)の湖での世界最長記録だそうです。今回は地元のスイマー50人X2キロ=100キロリレーも私のチャレンジと並行して行われました。リレーの選手に合わせるために私のスタートが午後6時になりましたが、朝型の私にとっては泳ぎ始めてすぐに眠くなるという不利な条件。睡魔のせいで極端な幻覚症状に襲われ続けペースもダウン気味。途中で3回も湖で昼寝。zzzz.......。

 まぁアメリカ人に82キロ泳げる体力を証明できたので、次回は私に有利な朝6時スタートでもっと速いペースで100キロを泳ぎたいと思います。あっちこっち筋肉痛で疲れました。

 遅くなりましたが、ニッカンスポーツ・コム(フロリダでもけっこう見ている人が多いんですよ!)用の写真を数点お送りします。

 3枚目の写真ですが、実は伴走のカヤック。チームの志気を高めるために「カヤッカー・コスチュームコンテスト」をしたんです。

 変わったコスチュームを着て私を笑わせてやろうじゃないかと。友人のチャックは海賊姿でやって来ました。この後彼はカヤックを派手な電飾で飾り、湖の夜はぎんぎんのエレクトリカルパレード。ちなみに彼はディズニーのイマジニアが本職です。他のカヤッカーは「ディズニーのイマジニア相手に仮装で闘うのは難しいよね」…納得です。

 レースについてのレポート。

 日本でも遠泳(オーシャンスイム)が盛んになっていることは日刊スポーツのこのウェブなどを通じてよく知っています。

 何かのご参考になれば。

 結局は肉体疲労と言うより、集中力との戦い、睡魔との戦いでした。

 12日の午後6時にスタートし、13日の午後1時になって「眠い…昼寝するよ」と、浮かびながら目をつぶったんです。そしたら目をつぶっているにもかかわらず外の景色が見える。あれ? もう1度目を開けて、目をつぶり直したけどやっぱり景色が見える。目をもっとしっかりとつぶったら、今度は景色が半分になって、そのあとに茶色の亀の甲羅が見えるようになった…

 「へんだなぁ?」

 その後、再度泳ぎ始めたら、湖の底が急に浅くなって水底の部分に綺麗なタペストリーがぴっちり。この世の物とは思えない綺麗なデザインでした。

 「あ。これが幻覚かぁ…」

 幻覚だとしっかりと分かっているのですが、これを消すことがどうしても出来ませんでした。これを初めに、まぁ出るわ出るわ…1度出てきた幻覚はその場にずっと留まってるんです。

 だから湖の上が段々幻覚で賑やかになってきました。150メートル毎にブイをうってたんですが、ブイが私を見て笑っておじぎするんです。そのブイの横に青い帽子を被ったゴリラのぬいぐるみが3つ。幻覚なのにきっちり何を見たかは覚えてます。

 ラスト3時間は、みなぎる体力に極度の幻覚という状態。水面にびっちりとカエルの卵が浮かんでるんです。友達に「これ見える?」って聞いたら「何にもないよ」…余計なことを言って救急車でも呼ばれると面白くないので、その後はずっと何を見ても黙ってました。

 ゴールして、ふと自分の身体を見ると全身に日本語が書いてあるんです。これがどうにも気になってこすっていると友人が「大丈夫、汚れてないから」。やっぱ見えてないんだ…と思い友人の顔を見ると、鼻からワイアーが2本伸びてきて、それがクルクルと円を描き友達の顔はワイアーだらけになりました。

 もう全部がこんな感じです。でも自分では幻覚だときっちりと分かってたし、妙な騒ぎになるのは勘弁してもらいたいので翌日まで黙ってました。翌日幻覚の話をしたらみな大爆笑。翌日も若干の幻覚症状はありました。

 今まで「極限状態に置かれると幻覚を見る」っていうのはうそだ~っと思ってましたが、ホントに見たわけです。

 友達は「見たものを全部絵に描いて~」。

 いつかリクエストにそろそろお答えしようかと思います。

 <参考> 松崎さんの水泳仲間、ラッキーさんのリポートのあるURL

 http://www.LuckysLakeSwim.com/world_record_attempt_at_aquatica.htm

 <松崎さんのHP> http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/1552/index.html

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 なお、NPOバディ冒険団では11月11日に、神奈川県葉山で遠泳(オーシャンスイム)クリニックを開催。詳細はhttp://www.sports-buddy.jp/



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プロフィル
後藤新弥(ごとう・しんや) 日刊スポーツ編集委員、61歳。ICU卒。記者時代は海外スポーツなどを担当。CS放送・朝日ニュースターでは「日刊ワイド・後藤新弥のスポーツ・online」(土曜深夜1時5分から1時間。日曜日の朝7時5分から再放送)なども。
 本紙連載コラム「DAYS’」でミズノ・スポーツライター賞受賞。趣味はシー・カヤック、100メートル走など。なお、次ページにプロフィル詳細を掲載しました。
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