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箱根駅伝展望

駒大がV候補筆頭、追う東海大

 12月10日、都内で行われた「箱根駅伝トークバトル」。この場で各校監督がそろって優勝候補に挙げたのが駒大だ。前回83回大会こそ、直前に体調不良者が続出し7位に終わったが、02年−05年まで4連覇を達成。選手層の厚さは他校の追随を許さない。10区間200キロ超の長丁場だけに、1人、2人の力だけではどうにもならないのが箱根駅伝。それだけに今回、1万メートル28分台を5人そろえた駒大が筆頭候補に挙げられるのもうなづける。しかも、11月の全日本大学駅伝での勝ちっぷりが良かった。1区で3位、2区で2位とすると3区で1位となり、そのまま差を広げ楽々と逃げ切った。大八木監督が「王者的な強さが出てきた」と話したように、4連覇当事のチームに近づいているのは間違いない。

 駒大を追うのが、悲願の初優勝を目指す東海大だ。伊達秀晃(4年)佐藤悠基(3年)の2枚看板は今回も健在。前回はこの2人が1、2区を走り貯金をつくったが、5区で逆転を許し3位に終わった。この時のメンバー8人が残り、全員がリベンジに燃える。伊達、佐藤をどの区間に置くかも勝敗を左右しそうで、大崎コーチの腕の見せどころだ。

 東海大に続くのが東洋大か。川嶋監督は「まだまだ。優勝は来年。今回は3位!」と話したが、前回34年ぶりに5位以内に入るなど着実に力を付けてきている。エースは今回も2区を走る黒崎拓克(4年)。過去2回2区を走り、2位、3位としっかりと結果を出している。今回も結果を出せば、経験豊富なメンバーが自然と順位を押し上げてくれるはずだ。

 連覇を目指す順大は「山の神」と呼ばれた今井が卒業。エース松岡佑起(4年)を中心に新たなスタートとなる。60年連続60回目という節目の出場となった日体大も侮れない。エース北村聡(4年)を中心に好選手がそろい、V争いも夢ではない。

 このほか、絶対的なエースがいる早大、中大、日大、山梨学院大もレースを盛り上げそうだ。専大、亜大の伝統校に中央学院大、帝京大、城西大あたりも上位進出があってもおかしくはない。

箱根駅伝注目選手

竹沢健介(たけざわ・けんすけ=早大3年)

 早大のエースから日本のエースに成長した。8月の大阪世界陸上、男子1万メートルに日本代表として出場。12位に終わったものの、世界の大舞台でその存在感をアピールした。

 竹沢の名前が轟いたのは、早大1年時に出場した箱根駅伝予選会。20キロを1時間00分3秒で走り、日本選手のトップ(全体3位)でゴールを切ったのだ。スター誕生の予感。本番ではいきなり「花の2区」を任された。結果は区間11位に終わったが、大きな経験となった。そして2年生で臨んだ前回でも2区を走り、今度は1時間7分46秒で区間賞を取った。3年生になると、一段と進化。4月末に米国で行われたカージナル招待に出場。1万メートルを27分45秒59で走りA標準(27分49秒00)を突破。世界陸上出場切符をつかんだ。

 11月4日の全日本大学駅伝では2区で区間新をマークするなど、走るたびに強くなっていく。3回目の今回も、もちろん「花の2区」を走る。「名門復活」へ、竹沢にかっかる期待は大きい。

 1986年(昭61)10月11日生まれ、兵庫県姫路市出身。報徳学園時代はインターハイで5000メートル8位。1万メートル自己ベストは27分45秒59、ハーフマラソンのベストは1時間2分26秒。171センチ、53キロ。スポーツ科学部3年。

佐藤悠基(さとう・ゆうき=東海大3年)

 前回83回大会の快走を覚えているファンも多いはずだ。1区を走り、スタート直後から飛び出してほぼ独走。1時間01分06秒は区間賞どころか区間新の快挙だった。途中、足をけいれんさせ、苦しい表情も見せたが、そのスピードが最後まで衰えることはなかった。

 もう1人のエース、4年生の伊達秀晃とともに、チームを引っ張ってきた。その走りに東海大悲願の初優勝がかかる。今シーズンは当初、トラックで不振が続いたが、秋になって完全復活を果たした。10月14日に静岡で行われた記録回で1万メートル自己ベスト、今季国内学生最高となる27分51秒65をたたき出した。1年時が3区、前回2年時が1区、今回は何区を走るのか。いずれにしても、佐藤のスピードは多くのファンを魅了するに違いない。

 1986年(昭61)11月26日、静岡県生まれ。佐久長聖(長野)出身。178センチ、59キロ。体育学部3年。

メクボ・モグス(山梨学院大3年)

 国内無敵の強さを誇る怪物だ。「ターボエンジンが付いている」とは早大・渡辺監督の弁だが、そのエンジンがさらに進化を遂げているから恐ろしい。7月の札幌国際ハーフマラソンで59分54秒の大会新記録で優勝。9月23日の一関国際ハーフマラソンも59分58秒でV。10月20日の箱根駅伝予選会では2位以下を1分以上離して57分01秒でぶっちぎりで1位を取った。さらには11月4日の全日本大学駅伝では最終8区(19・7キロ)を55分32秒の区間新をマーク。手が付けられない勢いだ。

 そんなモグスだが前回83回大会で苦い経験をした。2区を走り次々と他校のランナーを抜き去ったが、後半給水に失敗して大失速。まさかの区間6位に終わり、チームもエースのブレーキが影響し12位。シード権を逃した。それだけに今回に賭ける気持ちは強い。大学も「モグスTシャツ」を200枚作製。リベンジを応援している。

 1986年12月25日生まれ、ケニア出身。中学卒業後、山梨学院大付高へ留学。箱根は1年時から2区を走り区間1位、2年時は同6位。1万メートル自己ベストは27分44秒94。165センチ、52キロ。商学部3年。

上野裕一郎(うえの・ゆういちろう=中大4年)

 名門中大のエース、上野の魅力は何と言っても「ごぼう抜き」だ。前回83回大会では3区を走り、9人抜きの快走を演じファンを沸かせた。ちなみに箱根駅伝の過去最高記録は15人抜き(79回大会、順大・中川拓郎=2区)。182センチの長身。ダイナミックな“抜きっぷり”が今大会でも注目されそうだ。

 今季は好調をキープしてここまできた。関東インカレで5000メートル優勝。欧州遠征では13分21秒49で北京五輪標準A記録を突破してみせた。秋以降も出雲駅伝では1区で区間新、全日本大学駅伝では4区を走り区間賞をゲットした。

 スピード、駆け引き、勝負根性…。どれをとっても一級品。最後の箱根駅伝をステップに目指すは北京五輪出場だ。

 1985年(昭60)7月29日生まれ、長野県出身。佐久長聖から中大入学。箱根は1年から4年連続出場。1万メートル自己ベストは28分27秒39。182センチ、58キロ。法学部4年。

宇賀地強(うがち・つよし=駒大2年)

 優勝候補筆頭の駒大を引っ張る若きエースだ。好選手が揃ったチームだが大八木監督がエースに指名する。「将来、エースどころか大砲に育つ可能性を秘めている」。名将にここまで言わせる力を持っている。

 指揮官にその予感を最初に抱かせたのが前回1年生で出場した箱根。エース安西(現4年=主将)が本番直前に風邪を引き、急きょ代役で2区を走ることに。区間13位だったが、1年生、しかもピンチヒッターとは思えぬ走りっぷりに大器の予感を感じたのだ。

 その目に狂いはなかった。11月4日の全日本大学駅伝ではエース区間の2区を走り、早大・竹沢、順大・松岡ら大学陸上界を代表するランナーと互角の走りを披露。3位から2位に順位を押し上げ、2年連続7回目の優勝に大きく貢献した。

 1987年(昭62)4月27日生まれ、栃木県出身。作新学院から駒大入学。1万メートル自己ベストは28分45秒08。163センチ、49キロ。法学部2年。




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