<全国高校バスケット選抜優勝大会:前橋育英82-76聖和学園>◇26日◇男子3回戦◇東京体育館

 男子は聖和学園(宮城)が敗れ、弘前実(青森)能代工(秋田)とともに東北勢はすべて3回戦で姿を消した。

 聖和学園の全国初挑戦はベスト16だった。インターハイ8強の前橋育英(群馬)に敗れたものの、最終Qに6点差まで詰め寄って激戦区・宮城県代表の意地を見せた。阿部昭宏監督(33)は「場面場面では対等以上に戦えた」。両軍最多29得点の菊地啓志、25得点の蜂谷晃弘、攻撃を指揮したガードの佐藤恭平主将と桜井亮実の3年生4人は、全国でも見劣りしなかった。

 初出場で2勝。6月のインターハイ予選が躍進の始まりだった。準決勝で明成に敗れ「ミスしても互いに知らんぷりだった」と佐藤主将。自身はその試合で左膝半月板を損傷、全治3カ月のけがを負っていたが、松葉づえを突きながら「意見を言い合おうぜ」と訴えた。以来、練習中から選手で話し合うようになった。

 宮城には、この大会を2年前に制した明成や今夏インターハイ16強の東北学院がひしめく。阿部監督は部員6人(うち経験者3人)での03年就任時から「いる子の能力を伸ばすしかない」と地道に指導。2強の背中を追った結果「県大会を勝ち抜くための取り組みが、全国でも通用することが分かった」と手応えをつかんだ。震災で1カ月半、練習できなかったハンディを乗り越え、今後に期待の膨らむ全国初体験となった。