<高校ラグビー:浜松工81-0倉吉東>◇28日◇1回戦◇花園

 11年ぶり3度目出場の浜松工(静岡)が倉吉東(鳥取)に完勝し、創部61年目で悲願の全国初勝利を挙げた。前半3分までに2トライを奪うと、相手の武器でもあるFW陣に対して真っ向勝負を挑み、パワーで封じた。効果的にトライを重ね大量リードした後半には、主力組を温存する余裕を見せ、完封勝利を収めた。県勢として5年ぶりとなる2回戦は30日にシード校の国学院栃木と対戦する。

 浜工フィフティーンは「花園1勝」の喜びを静かにかみしめた。試合終了の笛が鳴ると、少人数同士で抱き合い歓喜の輪をつくった。過去2度、苦杯をなめてきた1回戦を突破し、3度目の挑戦で初の2回戦進出。木下清道(きよのり)監督(37)は「最初の3分で2トライを取ったから自分たちのペースに持ち込めた。選手は県代表としてのプライドを出せていたと思う」と目を細めた。

 文句なしの圧勝だ。戦前から分析していた相手FW陣を完全に封じ込めたことで、主導権を握った。FW陣の平均体重は相手よりも10キロ少ないが、低いタックルで対抗。前半だけでモールから3トライを決めるなど、相手のお株を奪った。先制トライを決めたプロップ光本滉平(3年)は「重さはあったけれどぐいぐい押せた。パワーは僕らの方が上だった」。NO8加茂恒二(3年)も「体が大きいだけ。しっかりポイントをつけて攻撃できていたと思う」と胸を張った。

 次戦の相手は関東の強豪・国学院栃木。高校日本代表選手5人を擁するチームで強力な攻撃力を持っている。県大会後は1回戦の相手ではなく、国学院の映像を見て研究を続けてきた。練習内容も2回戦に照準を合わせて調整。WTB小杉未来主将(3年)は「自分たちのラグビーをするだけです」と言い切った。難敵相手にも逃げるつもりはない。県勢9年ぶりの3回戦進出を目指し、正面からぶつかっていく。【神谷亮磨】