<高校ラグビー:東福岡28-5常翔学園>◇5日◇準決勝◇花園

 V3に王手!

 東福岡が常翔学園(大阪第2)とのAシード対決を制し、3連覇に王手をかけた。風下の前半に攻め込まれたが、攻めの守りで得点を許さない。耐え忍んだ前半ロスタイムに先制トライを奪うと、後半は3トライを重ねて突き放した。攻撃力ばかり注目されてきたが、鍛え抜かれた組織的な守りで大一番を突破。7日の決勝は、5年前の決勝で敗れている東海大仰星(大阪第3)と偉業をかけて激突する。

 東福岡が3連覇に王手をかけた。前半、風上の常翔学園が押し寄せてくる。しかし、緑のジャージーの守備網は乱れない。前に出ようとする相手を前に出て止める。強烈な当たりに常翔学園はノックオンを連発した。前半ほとんどの時間を自陣ゴール前で守りながら、最後の一線は越えさせない。風下の前半に攻め込まれたが、攻めの守りで得点を許さない。超高校級の攻撃力を持つ東福岡の超攻撃的守備が、試合の流れを支配した。

 「最初からあんな“打ち合い”になるとは。見応えのあるゲームでした」。谷崎監督も思わず見入るほど、意地と意地がぶつかり合う激しい攻防だった。ガツガツとひたすら当たり合う肉弾戦。先制トライのプロップ平野は「絶対我慢で負けないと思った。(肉弾戦は)勝敗を超えて楽しかった」と笑った。

 守りで流れをつかんだ後半は一気に3トライを重ねた。王手にも「ラスト1試合できることに感謝して全力で楽しみたい」とFB藤田。重圧など無縁で、3年連続のファイナルに臨む。【実藤健一】