<全国高校バスケット選抜優勝大会:常葉学園93-75宇都宮文星>◇女子1回戦◇23日◇広島グリーンアリーナ

 2年連続出場の女子・常葉学園(静岡)が、昨年も初戦で対戦した宇都宮文星(栃木)を下し2年連続で初戦突破した。前半は相手のゾーンディフェンスに苦しんだが、後半は北川佳穂主将(3年)の速いパス回しとアシストで相手を翻弄(ほんろう)。根本葉瑠乃(2年)のロングシュートも入り始め、突き放した。きょう24日の2回戦では、広島皆実とベスト16をかけて戦う。

 昨年、26点差で圧勝した相手に序盤は苦しめられた。小前宏史監督(52)は「研究されていたと感じた」と言う。県大会決勝で市沼津にてこずったゾーンディフェンスをしかれ、北川を中心にしたボール運びが鈍った。北川は「去年はドライブにいけたけど、今年はゾーンで自分のドライブができなくなっていた。パスも出せる時に出せなかった」。得点源の根本(2年)もミドルシュートを放つが、ことごとくリングに弾かれ得点が伸びない。逆に相手は3Pシュートを中心に得点を重ね、第2Q途中までリードされる苦しい展開が続いた。

 しかし、後半は一転、常葉学園の攻撃が爆発した。「各自の役割を徹底させよう」。その心掛けが、いつものバスケットを取り戻した。根本は「前半は流れが悪い中でシュートを打ってしまった。後半は、守備とリバウンドを頑張って攻撃のリズムを作ろうと心掛けた」。北川も「1人でボールを持ちすぎないように、周囲を生かすプレーを意識した」。北川は相手ディフェンスをひきつけ、ゴール下に絶好のパスを次々に供給。根本も相手シュートのリバウンドをしっかり取り、速攻へつなげた。各自の持ち味と役割がコートで発揮されれば、勢いは止まらない。根本は3本の3Pシュートを含むチーム最多の29得点19リバウンド、北川は19得点13アシストと「ダブルダブル」を達成。終わってみれば18点差をつけて勝利を手にしていた。

 小前監督は「前半はファウルが重なったこともあって針のむしろ。ビクビクしていた。ちょっとボタンを掛け違えば崩されていた。苦しい中で勝てて良かった」。2回戦では広島皆実と対戦する。北川は「今回のような守備をしていたら全然ダメ。1人1人が責任を持って守って、リバウンドも跳んでスタートしたい」と次戦を見据えた。【岩田千代巳】