<全国高校バスケット選抜優勝大会:柴田女94-47倉吉北>◇女子2回戦◇24日◇広島グリーンアリーナ

 柴田女(青森)が倉吉北(鳥取)をダブルスコアで下し、出場10回目で初勝利を挙げた。U-18(18歳以下)とU-17(17歳以下)の日本代表F中村優花(ゆにか=3年)が41得点と大活躍した。

 柴田女の中村が、ゴール下を完全に支配した。体を密着させてくる徹底マークを引きはがし、次々とボールをリングに沈めていく。前半で27点、大差がついた後半(20分)の約半分はベンチにいたが、1人で41得点の大暴れ。フル出場なら、1試合個人最多記録の51点に届くペースだった。

 今年8月のU-17世界選手権(オランダ)では、フォワードとして大会ベスト5に輝いた。持ち味は、世界レベルで通用した体幹の強さ。この日は相手に高さがないこともあり、不慣れなセンターを任された。リバウンドもチーム最多の18と奮闘したが「今日は全然ダメ。調子は悪かった。10秒くらい(気持ちが)熱くなりすぎちゃったので気を付けます」。チーム初勝利にも満足しない姿が、また頼もしかった。

 類いまれな才能に努力が加わった。体の強さだけでなく、運動量も豊富。小4時に青森・三沢市のマラソン大会で出した記録は、いまだに破られていないという。体調管理にも気を使っており、小野尚樹監督(40)も「好きなお菓子も食べなくなって、能力に技術が加わって意識も高い」と精神面の成長を感じている。

 世界大会を経験した中村の夢は「日本代表として五輪に出ること」。卒業後はWリーグの強豪JXでプレーする。「試合に出るなら他のチームでもいいのでは」という周囲の声もあったが「一皮むけたい」といばらの道を選んだ。名前の優花(ゆにか)は、英語の「unique(ユニーク=唯一の)」が由来。3回戦の相手は昨年準優勝の山形商だが「1つのクリスマスプレゼント。バンバン攻めたい」。次は本職のフォワードで、自分らしくコートを駆ける。【今井恵太】

 ◆中村優花(なかむら・ゆにか)1995年(平7)1月3日、米国アラバマ州生まれ。5歳の時に青森に移り住む。小1からバスケットボールを始める。家族は米国人で身長196センチの父ジェフリーさん、母結花子さん、来春から強豪の北陸高(福井)に進学予定の弟ジャズさん。177センチ、73キロ。